肩はお尻で治す

90才代の女性患者Aさん、左肩が横水平に90°しか上がりません。肩の筋肉(三角筋)が痛くなるそうです。

「90才になって、五十肩なんて変よね~~」

ごもっともです。

Aさんは、鍼が嫌いなので使えません。そのため、指先で軽く触れるだけの操法とします。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、肩は、股関節(お尻)で治します。そこで、Aさんに左肩を上にして、横向きになったもらいます。そして、お尻の圧痛点を見つけ、軽く右手を添え、操法に入りますが、しばらく経つと、

「あの・・・この姿勢は、しんどい」

高齢のAさんには、横向きの姿勢は無理があるようです。無理な姿勢での治療は患者さんによぶんの負荷がかかり、良い結果は望めません。すぐに体勢を変えなければなりません。

「Aさん、うつ伏せなら大丈夫ですか?」

「それなら、大丈夫。」

ということで、ゆっくりとうつ伏せになっていただきます。すると、指先を触れるだけより、お灸で治療した方がいいような気がし、

「Aさん、お灸は大丈夫ですか?」

「はい、お灸は大丈夫!」

そこで、お灸をする事にしました。6ヶ所圧痛点を見つけ1ヶ所に10壮のお灸をして、Aさんに起き上がってもらいます。そして、ゆっくり腕を上げてもらいます。

「あら?どうして・・・腕が左と同じに上がる‼️」

「カラダって、不思議ね~~・・つながっているのね。」

90才のAさんが、少女のように喋ってくれました。