家庭にお灸を

以前、お絵かき教室の治療をした小学生Aちゃん、今回で6回目の通院となります。鍼が嫌なので、指を鍼代わりに治療をしています。Aちゃんは、思春期に多い起立性調整障害、自律神経のバランスが少しうまくいっていなだけです。今朝、起きてダルく学校にいけませんでした。そこで、午前中にお母様と一緒に来院されました。

いつもの様に、合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋の触診)をしたあと、置鍼の準備にかかる私。

「あれっ?・・・そうか、鍼嫌いなんじゃね・・・・」

「・・・・・ええと・・・注射は、痛くない・・・」

「うん?・・・・そしたら、鍼やってみる?」

「・・・・・・うん(軽くうなずくAちゃん)」

Aちゃんは、少し鍼に興味があったのかも知れません・・・早く良くなりたいと思っているのでしょう。頭に3本置鍼。その後は、ゆっくりベッドで30分休んでもらいます。その間、家庭内で出来るお灸治療の方法をお母様に話しました。モグサを米粒大に作り線香で火をつけ、火が皮膚に到達する寸前に、指2本の蓋(ふた)で覆(おお)います。すると、酸欠状態になり火は消えて、ヤケドになりません。この技術をお母様が習得すれば、昔から伝わるヤイト(皮膚を焼き切るお灸)とは違う方法で、家庭内治療ができます。

お灸の文化が根強く残っている愛媛県、薬局でモグサを売っています。出張治療で行く京都では、薬局にモグサは置いてないことが多いのですが、愛媛県では需要がまだあるのです。今、お灸を通して親子のコミュニケーションが出来れば、どんなに素敵なことか!・・・と思います。

Aちゃん、5回の治療で少しづつ体調が良くなり、食欲も出て来ました。食後の胃痛も無くなっているようです。まあ~、ボチボチ・・・・きゅう