60才代の男性患者Aさんは、小学校の頃から副鼻腔炎になり、6年生の時に手術を受けましたが、なかなか完治せず、62才の時、再び手術をし完治しました。しかし、24~5才の頃に嗅覚を失い、全く匂いを感じることが出来なくなりました。それでも、最近1年間、漢方薬を飲み続ける治療を行いました。ところが嗅神経がやられているので、治らないとのことでした。
知人の紹介で、本日初診となりました。嗅覚以外は、すこぶる健康的なAさん。上腕診(肘内側の横紋の触診)、首診で圧痛点を感じたのが1カ所。そこに対応する治療点に置鍼をして、基礎治療、応用治療は終了です。
後は、12ある脳神経の第一番目の嗅神経に2本置鍼とオデコにある鼻の感覚点に2本置鍼するだけです。
「そしたら、今から嗅神経をねらってオデコの生え際に鍼を刺します。」
鍼を刺して直ぐに、
「あっっっ、思い出しましした・・・・小学校の頃、親父にバリカンで丸坊主にされる時、バリカンが、オデコの生え際に来た時だけ、何か嫌な感じで・・・逃げそうになったのを!」
「・・・何か、ざわつくという様な感じですか?」
「そうです・・・その表現、ぴったりです❗️」
「はあ~~~、そこ、そこが治療点のあるところなんです・・・カラダって正直ですね!」
Aさんのざわついた感覚を原体験としてカラダは、覚えていたのです。それにしても、脳神経の治療点を発見した山元敏勝先生の凄さに、改めて感嘆せざるを得ません。
Aさんには、置鍼後ゆっくり1時間ベッドで休んでいただき、治療を終了しました。