ふわふわ感には、内耳神経

50才代の女性患者Cさん。2週間ほど前から、朝起きると天井が回る感覚で、ふわふわするそうです。Cさんは股関節が悪く来院されたのですが、今は1週間に1度、健康管理で来院されています。季節の変わり目にふわふわする感覚になることが多いそうです。

慢性の患者さんには、後頭部に置鍼しているため、先週からCさんにもそのようにしています。
まず、合谷診(人差し指と親指の間の触診)から始めます。左手に痛みがあります。そのため、治療は左側から行います。次に、進化系合谷診(人差し指につながる中手骨を6等分し腰椎、胸椎、頸椎、大脳、脳幹、小脳を診断します)。
下記のように、頸椎、胸椎、腰椎、脳幹、に対応する個所に圧痛点がありました。この6等分された中手骨のそれぞれの圧痛点がなくなれば、それに対応する個所が治療出来たことになります。下記の( )内の数字は、圧痛点がなくなった置鍼の数です。(0)は、他の置鍼の影響で圧痛点がなくなったことを示します。これで基礎治療が終わり、自律神経が整いました。

左:腰椎(1)、脳幹(1)
右:頸椎(1)、胸椎(0)

続いて、首診で12内臓点を診断します。これは、首にある12の診断点を押圧して、圧痛点を調べ側頭部にある治療点に置鍼し、圧痛点を取っていきます。その結果が、下記の通りです。

左:腎(0)、膀胱(1)、肝(0)、胆(1)、(心包=心臓の周辺)(0)、心(0)、大腸(1)、
三焦(消化器)(1)、胃(1)、脾(1)、小腸(0)
右:大腸(1)、三焦(消化器)(1)
(0)は、他の点に置鍼した影響で圧痛点がなくなったことを示しています。
これで、内臓が整いました。これだけでも、ふわふわする感覚がかなり取れます。

それでも、直接関係があると思われる内耳神経をねらい置鍼します。内耳神経は、8番脳神経(脳から直接、末梢神経が出ています)。イラストのように生え際から頭頂部にかけて、2cmの幅で、正中線に沿って脳神経の治療点が、1番から12番まで並んでいます。

この左側の8番目に置鍼して、後は好きなフォークソングを聴きながら30分ゆっくりして終了です。後日、ふらつきが治ったと報告を受けました。脳神経効きます!