家族ぐるみ

「今日は、腰診(み)てもらおうか・・・だいぶ、足のむくみはのうなった。」

「腰はどうすると、痛いんですか?」

「歩くと、だるいんよ。」

と答えくれるのは、今年90才になる女性患者Bさん。ニコニコ穏やかな笑顔がかわいいのです。美空ひばりが大好きで、昭和の空間でゆったりとした時間が流れます。寝るのが得意で、イスに座っていても、いつの間にかウトウトしてしまいます。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):左(左側から治療を始めます)

上腕診(肘内側の横紋周辺の触診)

左:頸椎(1)、腰椎(1)、大脳(1)

右:腰椎(1)

Bさんには、後頭部に置鍼します。後頭部にラムダ縫合という骨と骨の継ぎ目がアーチを描くようにあるのですが、この周辺に置鍼します。置鍼するたびに上腕の圧痛点がなくなったかどうか、確認します。

「ここどうですか?」

「痛くないです。」

「これは?」

「楽じゃ・・・」

「美空ひばりのマドロスさん」がゆったり流れます。

「これで、歩いてみてください・・・・どうですか?」

「・・・・・よっこらしょ・・・ありゃ・・・だるない、軽い、軽い。」

「そりゃ~、良かった・・・そしたら、首を診(み)ましょう。」

「これとこれは・・・どっちがいたいです?」

「う~~ん、そっちです。」

などと時間が過ぎていきます。

首診

左:腎(1)、膀胱(1)、心(0)、脾(0)、小腸(1)

後側頭部に置鍼後、首の圧痛点がなくなるのを確認します。(0)は、他の置鍼の影響を受け、圧痛点自動消滅したことを示しています。

「これで、もう一度歩いてみて下さい。」

「・・・・・軽い、大丈夫。」

「そしたら・・・あとは、イスでゆっくりしてくださいね・・・」

しばらくすると、ウトウト・・・・

途中から足をバタバタするBさん、

「足のウラが変ですか?」

「・・・足ウラが、ベタベタ引っつくような感じで気持ち悪いんよ」

「そしたら、鍼しましょう・・・・」

左側頭部に2本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・・ええ感じ、軽い。」

「左だけですか?」

「いや、両方とも軽い。」

などと、過ごしていると、娘さんが車でお迎えに来られるました。

「先生、明日は私、お願いします(^^)」とお迎えの娘さん。家族ぐるみのお付き合いになっています。