足の痛みに対する手首での治療例

バレー部の男子高校生A君。

左足の親指から甲にかけて痛く、歩く時、ギクッとした痛みが走るそうです。より高い打点を目指してジャンプして、右手首の母指球辺りで強打。

そのあと、左足から先に着地、といった一連の流れが習慣化しているはずです。

また、ボールをレシーブする際は、重心を低くして右手首から肘にかけての前腕を使うことが大半。

そうすると、カラダにどんな傾向が現れるでしょうか?

 

右手首から肘にかけて相当な負荷がかかってくると、対角の左足首から膝にかけて、その負荷を散らしていきます。

これが、自然な現象。難しい言葉で、「形態的連動」と呼びます。

負荷がかかってきた左足首に、スパイクを打ち終えたあとの着地で、もっと負荷がかかってきます。

しかし、A君の左足の親指から甲にかけての痛みの原因は、ほぼ右手首から肘への負荷だと、考えられます。

そこで、左足首と右手首をチェック。

まず痛い左足首。

赤ボールペンを用意し、親指から足首にかけて皮膚をつまみ上げます。

「痛い!」

刺すような痛みが走ります。その部位に赤ボールペンで印。

すると、親指から赤印が膝の内側に向け、一直線で10数個の赤印が生まれます。

同様に右手親指から、肘に向けて皮膚をつまみ上げると、左足に対応する箇所に、赤印が10数個。

足首が、炎症していれば、氷水で冷やすと効果がありますが、A君には、必要ないようです。

右手親指から肘にかけての赤印に、灸。皮膚をつまみ上げて、痛みがなくなるまで続けます。

1箇所に対して、5~7壮くらいになります。

そうすると、足首の痛みがなくなっています。A君は、翌日から練習を始めたそうです。