「先生、治療してもろてから、調子ええんよ。それで、調子に乗って働きすぎて、また肩が痛うなったんじゃが・・・」
「あら、そうなんじゃ・・・それは、よう分かるけど・・・ほどほどにせんと・・・」
と、80才代の女性患者Aさんに、再び前回と同じ治療することにしました。Aさんには右側を上にして横向きになってもらいます。下になった脚を真っ直ぐにしてもらい、上の脚を90度に曲げてもらいます。
すると、右腰部が「しっかり押圧してください」という格好になってくれます。腰は、表層部から深層部に大臀筋、中臀筋、小臀筋があります。これらの筋肉が肩にある三角筋の後部繊維、中部繊維、前部繊維に対応します。
具体的にいうと、肩の前側が痛いと、腰の小臀筋にある圧痛点を押圧します。すると肩の前側の痛みがなくなります。もう少し具体的にいうと、横向きになった右腰のテッペン(大転子といいます)と骨盤の前側の上にある出っ張り(上前腸骨棘といいます)の中間にある圧痛点(居髎=キョリョウといいます)を押圧します。すると肩前側の痛みがなくなります。こんな感じで、臀圧(デンアツ)、環跳(カンチョウ)、ついでに「気をつけ」の格好をして、中指の先があたる太ももの横側(風市=フウシといいます)に押圧。
「これで、どうですか?」
「・・・・先生、ようなった・・・痛ない!」
「簡単じゃろ?これ自分でやったらええんよ。」
「そんなん無理じゃ。」
「野球の硬式ボールがあろ?アレを畳に置いて、オシリの痛いところを押し付けたらええんよ。」
と、次回は硬式ボールを持参してAさんにお教えしようと思います。
自力自療が一番!