4ヶ月前は、全身が凝ってしまい、どうしていいのか分からない状態で来院された70才代の女性患者Aさん。週に一回のペースで通院されているので、随分安定した状態をキープしておられます。本日は左腕を上げようとすると肩(三角筋)が痛いそうです。
「そしたら、それを先に治しましょう・・・・畳の部屋で、硬球を使ってみましょう。」
と、Aさんには仰向けになってもらい、左臀部の圧痛点を探しそこに硬球が当たるように畳に置きます。Aさんの右膝を立ててもらい、右母指球を畳に押し付けると体重移動で左臀部の押圧を調整できます。これをしばらく続けて、
「Aさん、左腕を上げてみてください。」
「・・・・上がる・・・痛みは、ちょっとあるだけです。」
「そしたら、ベッドを暖かくして左を上にして横向きに寝てもらいましょう。」
今度は、臀部の圧痛点に私が中指を軽く置くだけの操法。これを5分ほどして、
「Aさん、左腕を上げるとどうですか?」
「・・・・痛くない!」
「そしたら、いつものようにしましょうか・・・Aさん、お灸は好きですか?」
「痛いし、嫌・・・・鍼も痛いし・・・・」
「そしたら、指当てるだけでやりましょうか?」
ということで、指先を足(靴下をはいたまま)に触れるだけの治療にしました。鍼灸師になる前は、指先を触れるだけの治療をしていたので、Aさんには最適だと分かりました。足に見つけた治療点は間違いないので、足に数分間中指を置き、膝診、首診の圧痛点を取ることができます。その結果は下記の通りです。
合谷診:左(左上腕診、左膝診を行う)
上腕診:胸椎(膝診と同時に圧痛点消滅)
膝診:頸椎#5〜7(2回の指置きで圧痛点消滅)、胸椎#1(1回の指置きで圧痛点消滅)、脳幹(圧痛点自然消滅)
首診:左腎(自然消滅)、左膀胱(自然消滅)、左肝(自然消滅)、左胆(1回の指置きで圧痛点消滅)、左心包(1回の指置きで圧痛点消滅)、左大腸(自然消滅)、左三焦(1回の指置きで圧痛点消滅)、左脾(1回の指置きで圧痛点消滅)右脾(自然消滅)、右小腸(自然消滅)