車椅子が必要なくなった!

山元式新頭鍼療法の創始者、山元敏勝先生の「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る」から、症例の抜粋です。この症例を改めて読み返すと、診断がいかに大切かが分かります。はたして私の診断は上手くいっているのだろうか・・・・漫然とパターン化しているのでは・・・・と、考えさせられます。明日からの診察は、違っているはずです。

『歩くこともできなかった突然の強い腰の痛みが1回の治療で改善した

腰痛による歩行困難  女性 48才 主婦

突然、腰につよい、痛みが起こり、その痛みで歩くことができなくなった患者さんが、車椅子で、ご家族と一緒にみえました。

「2 、3日前から他の整形外科で診てもらっていたのですが、痛みがぜんぜん止まらないんです」

患者さんご本人も、心配されるご家族も、その様子はとてもつらそうでした。状態を把握するために「ちょっと、立っててごらん」と言うと、左手を診察室の机の上に置き、右手を固定した車椅子で支え立ち上がろうとしたのですが、「痛い、痛い」と顔は痛みにゆがみ、足はやっと「くの字」曲がるように立てるだけで、それも一瞬だけのことでした。

痛みで動くことがまったく困難だったため、MRIはもちろん、レントゲンさえ撮ることもできない状態でした。そこで詳しく診断を行い、がんなども含めて内臓の疾患ではないことが判断できたため、首でYNSAの診察を行いました。

腰の痛みの原因は、とても複雑で、首の骨である頸椎や、また、他の部位に原因があったり、複数の要因が関係しあっているなど、ひと言に腰痛といってもその原因はひとくくりにすることはできません。

この患者さんの場合には、首診で頸椎にかかわる点に反応が出ていたため、頭にある頸椎につながる点を中心に針を刺し治療を行いました。

30分そのまま置いた後、針を抜いて「もう一度ちょっと立ってごらん」と言うと、今度は容易に車椅子からスッと立ちあがることができたのです。痛みも大きく改善されました。

また、診察室内を歩いてもらうと、歩行も問題なく行うことができ、乗ってこられた車椅子がぽつんと置かれている状況を前に、とても嬉しそうにされていました。数日すると、痛みがまた起こる場合がありますが、この患者さんの場合は、この1回の治療で落ち着かれたようです。』