受容

 私が30才代の頃、とある精神科の病院で芸術療法家として、働く機会がありました。その時、月に1回(2回だったかも?)尊敬するU先生の勉強会があり、様々な学びを得ることができました。今こうやって鍼灸師として生活しているのも、必然的な流れだったと思います。

その勉強会で一番記憶に残っているのが「受容」という言葉です。そこで、ウィキペディアの「受容」に関する記述を抜粋してみます。

『受容とは、相手の存在そのものを受け止める事です。元は来談者中心療法(アメリカの心理学者、カール・ロジャーズが創始)の中の1つのスキルで、心理カウンセラーが使う聴き方・関わり方です。

受容は決して相手を否定したり評価しない考え方なので、相手の方に話しやすさを感じてもらえます。受容が形になって現れているカウンセラーは、安心出来る穏やかな笑顔で、その人の側にいるだけで癒される感じがします。

受容の姿勢でかかわる時は、とにかく受け止めます。相手が話した事について

自分の意見は伝えない

良い悪い、評価はしない

アドバイスもしない

具体例を交えて解説します。

具体例

例えばあなたが友人から、

「会社で上司にねちねちと細かい事を言われて、殴ってやろうかと思ったわ!」

と言われたら、受容的な返しは

「ねちねち細かい事言われると腹が立つよね。」

です。こう返すと、自分の気持ちを受け止めてくれた、わかってもらえたと感じられます。

上記の「腹が立つよね」は、相手の気持ちを汲み取った言葉で、傾聴技法では共感といわれています。受容の性質から、共感とセットで使うことが非常に多いです。』

『心理カウンセラーは相談者に受容を感じてもらうために、次のような関わりを心がけています。

相手が安心できる笑顔

姿勢(身体を相手に向ける)

視線を合わせる

相手が安心出来る声のトーンで関わる

安心出来る目の表情で関わる

上記の関わり方で、何を話しても大丈夫ですよというメッセージを態度で現していきます。

受容されていないと感じられる関わり

ありがちなケースとして、話し手の方が自分自身を責めている時に

自分自身を責めるのはよくないですよ。

と伝えると、受容されているとは感じられません。言っている事は正しいのですが、自分を責めている状態のその人自身を否定している事になるためです。

「そういった状態だと苦しいですよね。」だと責めているその人自身の気持ちを汲んでいるかかわりですので、受け止めてもらっている(受容されている)と感じられ、楽になれます。』

私は、鍼灸師であると同時に、心理カウンセラーでもあるということを、忘れていたように思います。今後は、「受容」を基本にすえて鍼灸治療を行いたいと決めました。