「アメリカにおける補完代替医療の復興と移民、針治療を事例として」という藤重仁子氏の論文を引用します。
『1970年代以降、アメリカでは補完代替医療の人気が高まっている。CAM (complementary and alternative medicine)とは「非正統医学(unconventional medicine)すなわち「正統派医学」(conventional medicine)とされる西洋医学の枠外にある医療の総称である。特に1990年以降は国立衛生研究所内にCAMの研究センターが設置設立されるほど研究も進んでおり、さらに、西洋医学とCAMを融合させ、患者中心の全人的治療を重視する「統合医療」も推進されてきている。CAMはもはや「代替」医療ではなく、「統合」されるべき医療であると言う認識意識が高まりつつあると言える。』
この冒頭で始まる論文では、アメリカの高収入、高学歴の人々が、「正統派医学」推進のアメリカ医師会の主張を受け入れず、CAMの治療を受ける実態を明かしてくれています。CAMの中でも鍼治療の役割は大きくなっています。
1993年ハーバード大学のデビット、アイゼンバーグ博士(鍼治療研究者)が権威のある医学、雑誌(New England Journal of medicine)で発表した記事には、アメリカ市民の約34%が過去1年間にCAMを利用したとあります。30年前で34%ですから、現在では50%以上の利用はあると推測されます。日本との差は歴然としています。
鍼灸がこれだけアメリカで認められているということは、日本に逆輸入することは分かっています。それを少しでも早くしたいものです。