ヘチマ

友人から頂いた子規庵のヘチマの種が、やっと花を咲かせました。今年の猛暑は尋常ではなく、コンクリートに囲まれた灼熱の庭は、ヘチマにとって生きづらい所だったと思います。もう9月も半ばになるのに、実もなっていませんが、これから、どのように成長していくのかちょっと楽しみです。

今世紀になってやたら「筋膜」という言葉を耳にするようになってきたのですが、私が筋膜を説明する時、ヘチマたわしを例にあげます。ヘチマたわしの繊維は、筋膜によく似ており細かい立体的なネットになって、ヘチマの形を作っています。筋膜も同様に人体を形作る重要な結合組織なのです。そして、この組織は12の流れで構成されており、その流れがツボの流れ(経絡の流れ)とほぼ一致しています。つまり筋膜とツボとは深い関係があるのです。

また、頭皮の下は筋膜、腱膜などの結合組織で覆(おお)われており、筋膜が頭蓋骨から足底までぶら下がって支えているため、山元式新頭鍼療法(YNSA)の頭皮における置鍼の影響力は大きいように思います。

ヘチマが実り、ヘチマたわしを作って筋膜の説明をしてみたいのです。

置鍼1本

半年前から週2回のペースで来院されている40才代の男性患者Aさん。左肩が上がらなくなって3年。好きなゴルフでは、飛ばし屋だったのに、刻んでボールを運ぶスタイルになっていました。ところが、週2回の来院を根気よく継続すると、徐々に回復し今では、「飛ばし屋復活」となりました。そうなると、練習も楽しくなり、当院に来られる前にゴルフや、練習をされることが多いのです。

今日も、ゴルフで7km歩き体調が良いようです。

合谷診(人差し指と親指の間の触診)では、圧痛点がありません。上腕診(肘内側横紋周辺の触診)でも圧痛点がありません。こういう時は、膝ウラと大腿部の触診をするようしています。

勝手に「膝診」と呼んでいます。これでは、左腰椎、左小脳診断点に圧痛がありました。左腰椎診断点の方がより痛みがあるので、後頭部にある左腰椎治療点に1本置鍼。

「これで、膝ウラのここ・・・どうですか?」

「痛くない。」

「そうしたら、ここ(左小脳診断点)はどうですか?」

「痛くないですね。」

どうやら、左腰椎治療点の置鍼が影響して左小脳治療点も圧痛がなくなりました。

その後、首診をすると全て圧痛点なし。

「今日は、この1本だけで終了です。」

Aさんの日々の努力が成果を見せています。これで、冬を乗り切るのがAさんの目標。お付き合いしますよ!

台風で期待していた雨がサッパリ、風だけでした。

ところが、今日は久々の雨。そこへ、竹を積んだ軽トラが、勢いよく駐車場に入ってきました。

「先生、竹持って来ました・・・・・・小降りじゃけん、今のうちにと思うて・・・・」

私は、予約の入れ忘れ!・・・と、一瞬ドキッとしたのですが、どうも雰囲気から違うと思い直しました。無農薬栽培を何十年とやっておられるAさんご夫婦の判断で、本日、竹を運んで下さいました。

「ありがとうございます!立派な竹!」

「竹は、切ったらいかん時期があるけん・・・・そんな時期に切ったら、春から秋になるまでにボロボロになってしまうけん。」

「本当ですよね・・・・・・・このナスどうしたらいいのか・・・分からないんです。」

「あのトマトを切ってしもたら、ノビノビ出来らい。」

と、奥さんが教えて来れました。考えてみると、水を余りやらない方がいいトマトと、水が好きなナスを一緒に植えていることが、間違い。踏ん切りがつきました、明日、トマトをバッサリ切り落とします。今年はナス4本しか食べていません。もう少し育ててみます。

「このカボチャはどうしたらええんですか?」

「カボチャはメシベにオシベをチョコチョコと受粉しちゃらないけん・・・・今咲いとるんは、全部雄花じゃけん・・・・だいたい、雄花と雌花が交互に咲くけん、ええ時期をみて交配してあげんといかんのよ。」

などと話しているうちに、雨足が激しくなって来たので、頂いた竹を運び、お二人は「先生、明日宜しくお願いします。」という言葉を残して、風のように去って行かれました。明日しっかり診させていただきます。

先生

私の祖父、祖母、父、母みんな先生でした。こんな環境で育つと、先生しか出来ない・・・というか、他の商売は無理と幼い頃から分かっていました。いずれは「先生」と呼ばれるはず・・・・

と、思っていました。どうせ、「先生」と呼ばれるんだったら、色々な事をやっておこうと思っていました。

その結果、全てが中途半端な生き方。しかし、納得しています。なぜなら今になってやっと「鍼(はり)の先生」として生きる覚悟が出来たから・・・・この年(現在、65才)になって、先生と呼ばれて違和感がなくなりました。

待合室に置いてある父親の小冊子「つぶやき」より、

妻が退職して婦人会副会長を1年しての感想で、「教員ほどボランティア活動に参加しない人はいないのではないでしょうか。やめてみて、教員時代の私が恥ずかしい。」と、私も鉄槌(かなづち)で頭をなぐられた思いでした。

これからです。

駐車場がにぎやか!

4年ほど前に設置した看板を、移動しなければならないのです。理由は、駐車場の隅っこにある幅30cm長さ5mほどのスペースが、公道で私がそのスペースに看板を立ててしまったからです。

以前からその事は、聞いていて気になっていたので、これでスッキリしました。2人の仕事師さんが作業している間、私は枯れてしまったキュウリを柵から外し、これまたスッキリしました。

キュウリは力(ちから)果てたという感じで見事な生き様でした。猛暑の中、美味しいキュウリを提供してくれて、本当に感謝しています。ありがとうございました!

さて次は、えんどう豆を植えるつもりですが・・・・どうしていいのか、よく分かりません。あとでゆっくりインターネットで育て方を調べておきましょう。

それから、ついでに駐車場の隅っこにある「シュロの木」の大きな切り株から生えてきた竹の子の様な幹をチェーンソーで切り倒しました。これで、三度(みたび)スッキリ。いずれは、この「シュロの木株」を何とか土で覆(おお)って、畑にしたいと思っているのです。

このシュロの葉・・・・何かに使えないものか?・・・・ワラや笹の天然のマルチ(畑の地面を覆うビニールシート)のように使えるかも!と葉っぱ全部もぎ取り、キャリーに入れたり、畑に干してみたり・・・・楽しんでます!

キュウリの死期

この1週間、虫にかじられて真っ直ぐでないキュウリがポロポロ出来ていました。そして今朝、一気に枯れて「もうダメ!」と、叫んでいました。明日には、切り倒してあげようと思います。

それにしても、キュウリは自分の死期が分かるのですね・・・・驚きました。

台風が来て、強風にさらされもう観念したのかもしれません。

キュウリのあとは、えんどう豆の予定ですが・・・・・新鮮な野菜は、ツルムラサキだけになります。ツルムラサキにガンバってもらいましょう。なるべくならスーパーなどで野菜を買いたくない・・・・という気持ちになってくるのですから、驚きです(家庭菜園を始めた頃には、考えられないこと)。

とにかく、経済的なのです。今年の夏は、キュウリが1本80円位でした。畑をする以前は、1日平均2本食べていたと思います。

80✖️2=160  160✖️30=4800   1月(ひとつき)のキュウリ代に4800円使っていた!

ところが、今年は1日にキュウリは4本食べていました。

80✖️4=320  320✖️30=9600 1月(ひとつき)のキュウリ代が9600円浮いた!

これを思うと空いている土地は畑にし、野菜を作る気になってきます。これからは、秋野菜を育てる時期になります。鍋物、漬物が出来るように畑の拡大もやってみます!

待合室の本の紹介(その8)

東京の吉祥寺で開業医をしておられる真弓定夫先生の「空腹健康法」という小冊子。

これはマンガで分かりやすく説明しています。その一コマを載せます。

『順序としてまずは空腹と健康の関係についてお話しましょう。健康の第一の基本は入れることよりも出すことです。

そういう能力が1番高いのが生まれたばかりの赤ちゃんです。産声と言うのはお母さんのお腹の中にいる間に肺の中に溜まったものを全部出しているわけですよ。息を吐いてから吸うから呼吸なんです。吸呼じゃないんです。

なるほど確かに出す方が先ですね。

それから◯◯ちゃんも生まれた後で真っ黒い胎便が出たでしょう。

はい胎便を出してから母乳を飲ませました。

そのように出してから入れると言う事は非常に大事なことなんです。

昔の日本では必ず家族は一緒に朝食を摂っていました。その時におじいちゃんが子どもたちに「朝食を摂る前に必ず排便をしなさい」と言っていたんです。

極端に言うと昔は便を出さなければ食事をさせませんでした。だから便秘なんかあり得なかったんですよ。

(中略)

サーチュイン遺伝子が働き、全身の細胞が活性化し少食でも元気と力が出るんです。

そして誰でも身体年齢と見た目年齢が若返るんです。

人間でも動物でもサーチュイン遺伝子のスイッチをオンにするためには、少食空腹になれば良いんです。

昭和20年以前の人たちは、お腹が空きサーチュイン遺伝子のスイッチがオンになってからしか食べなかったんですだから健康だったんです。

サーチュイン遺伝子とは

サーチュイン遺伝子は1999年に米国のマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士により確認され、全世界の医療関係者から注目されました。サーチュイン遺伝子は長寿の人だけが持っているわけではありません。すべての人がサーチュイン遺伝子を持っているのです。だからサーチュイン遺伝子を活性させると誰でも健康なまま長生きできるのです。100歳でも元気で若いそれも夢では無いのです。

サーチュイン遺伝子のスイッチがオンになるとすべての臓器の老化劣化のスピードが遅くなるのです。サーチュイン遺伝子はいろいろな病気の発症を抑えてくれるのです。

その結果、脳、血管、肌などの様々な器官の若さと健康が保たれ寿命が延びるのです。私たちもカロリー制限をして腹7分と空腹感でサーチン遺伝子のスイッチをオンにすれば、見た目年齢も身体年齢も、人が驚くほどの若さ得ることができるのです。』

空腹の気持ちよさを味わうのが、私の生活の真ん中にあります。

即効性

施術中に予約なしの飛び込みの患者さんが来院。

「ええと・・・・11時45分にもう一度来てもらいませんか?」

と予約を入れました。飛び込みで来られるのは、よっぽどの事があるに違いありません。昼休みを返上して診させていただきます。

「頭痛と肩こりで、夜もろくに眠れません・・・枕を色々変えても効果がありません。20才頃に、頸椎と腰椎のヘルニアが見つかりました。」

などと色々教えてくれますが、突然、

「先生、歯の痛みは取れたりするんですか・・・・・堅いものを食べると、犬歯の下の歯が痛くて・・・・虫歯ではないそうです。」

「大丈夫ですよ・・・・そしたら、いきなりですけど、歯の治療から始めましょう。」

40才代の男性患者Aさんには、歯の治療で眉毛の眉間よりの圧痛点に1本置鍼しました。そして、名刺ほどのサイズのパイをかじってもらいました。

「・・・・・・痛みが軽減していますね。」

そこで、オデコにある口(くち)の治療点にもう1本置鍼。

「・・・・・・あれ?痛みが・・・なくなりました。こんなに速攻性があるんですか・・・今までの鍼に対する概念がガラッと変わりました・・・・1度、鍼治療を受けてから実は、トラウマになっているんです。腰に刺されて電気が走ってから、鍼が怖くて、怖くて・・・・今回は、意を決して来たんです。」

正直に色々なことを話してくれるAさんに、患者さんの本音、思いを教えていただいています。本当にありがたい事です。次は、いつものように合谷診(左右の人差し指と親指の間の触診)。左に圧痛点を強く感じるため、左から治療します(Aさんの場合は、上腕診、首診共に全て左に圧痛点がありました)。

上腕診(肘内側横紋の周辺の触診)

左:頸椎(1)、胸椎(0)、腰椎(0)

Aさんは、頭痛、肩こりで夜も眠れないくらいですから、やはり頸椎診断点に最大圧痛点があったようです。この治療点はオデコの生え際にあるので1本置鍼。すると、頸椎ばかりでなく胸椎、腰椎の診断点も圧痛点がなくなりました。

首診

左:腎(1)、膀胱(1)、心(1)

最大圧痛点の膀胱から始め、腎、心と左側頭部にそれぞれ1本ずつ置鍼。

Aさんは慢性的な腰痛持ちでもあります。この3本の置鍼で腰も軽くなってきましたが、腰を反らすと痛いそうです。そこで、耳のウラに1本置鍼。

「これで、反らしてみてください。」

「・・・・・あれ?痛くないです・・・この鍼は、即効性がありますね!」

「そうでしょ!・・・・そしたら、肩(こり)ねらいますね。」

と、オデコの生え際のB点(正中線から約2cm左)と、C点(B点から2.5cm左)に1本ずつ置鍼。

「クビが、ふにゃふにゃになった感じ・・・・」

これで、治療は終了して、30分ほどゆっくりと会話を楽しみました、おしまい。

つぶやき

 

本日は、治療中の来客が2名。1人は、飛び入りの患者さんで、1時間後に来ていただきました。もう1人は、私の弟(当院の事務長でもあります)。クスノキのチップをドンゴロスに5袋と、私の母校東谷小学校創立100周年記念誌と佐伯清明(私の父親)の小誌「つぶやき」を置いて、去って行きました。

クスノキのチップは、虫が嫌がるのではないかと思い、畑の後部歩道にたっぷり敷きました。残りは、砂利を敷いている駐車場に撒(ま)いてみようと思います(台風が去った後の方がいいかも・・・)。

久しぶりに父親の「つぶやき」を読み返してみました。父親は子供教育に懸命な人でした。60才で定年退職後、67才という若さで亡くなりました。胆嚢摘出手術後の予定が沢山あった、夢いっぱいの人でした。さぞかし悔しかったでしょう・・・・

今、改めて読み返して、私の愚かさだけが見えてきます。父親の無念を私はもう一度心に刻んで生きなければ・・・・・後、1年チョットで父親が亡くなった年になる私。

悔いのないよう生きます。

父親の「つぶやき」の教育一般から抜粋

「才能を測る物差は一本ではない」四十人いたら四十色の才能があります。才能とは、三十点か百点かが問題ではなく、その努力がどれだけ持続するかというエネルギーの問題です。

子どもは、教科の知識を学ぶのではありません。人間の生き方を、教師の姿から模索しているのだと思います。

生涯からだにしみこんで消えない、何かを子どもの心に残してこそ教師だと思います。

大きく心をゆさぶる感動を何回か経験しながら、子どもは、自分の能力を伸ばしていくものです。

奥深く隠れている個の芽に、日光をあててやることが教育です。たとえ、個の芽は外から見えなくても教師が信じることでできるものです。

凄いぞJソマ!

80才代の女性患者Bさん、治療もほぼ終わりおしゃべりをしていると、

「あっそうそう、先生眉間に湿疹があるでしょう?・・・・だから、これから皮膚科に行こうと思うんですよ。」

「あ~~赤くなってますね・・・・鍼で治せるけど・・・・」

「えっっ・・先生、ホント!」

「うん、そうよ。ほら、このチラシ(松山市針灸師協会が今年作ってくれました)に皮膚科の病気にも効くって書いてるでしょう。」

ということで、Bさんの頭頂部圧痛点に1本置鍼しました。Bさんの頭頂部は、ブヨブヨしている感じで「鍼を打ってください」と叫んでいるように感じました。そして、置鍼後Bさんの眉間を見ると、赤くなっていたはずなのに・・・・色が冷(さ)めているではありませか。

「Bさん、あそこの鏡を見てください。」

「・・・・・・正面から見ると、色が消えたけど・・・横から見ると、ちょっと浮き上がって光ってる。」

ということで、様子をみてもらうことになりました。すると翌日、Bさんからlineが入って来ました。Bさんは積極的人生を送っておられます。80才になっても、自動車を運転し、lineの講習会に参加して、テスト送信で私に送ってくれました。

「昨日は、お世話になりました。眉の間の湿疹は、それ以上に変化なく、湿疹皮膚科様子みます。」

「Bさん、経過報告ありがとうございます。ということは、鍼治療した時と同じ状態が続いているのですネ。」

「今、ミラー見ましたら、今は消えてました!」

「良かったですね~」

私が置鍼した個所が、Jソマトトープ(小さな人型の投影)の眉間に当たるところです・・・そういえば、本日の患者さんの頭痛もこのJソマトトープで良くなりました。凄いぞJソマ!