患者着

今日も入道雲が湧き上がる真夏日だったのですが、早朝には、結構な雨が降り続けました。ヒマワリに水をやることもなく、9時からの患者さんをお待ちしていたのですが、その患者さん、バイクに乗って来られました。半袖から見える腕が濡れているので、すぐさまタオルを用意して腕を拭いていただきました。

「上は、カッパをかぶってたんで、大丈夫だと思います。」

「そうですか・・・あれ?やっぱり結構濡れていますよ・・・着替えましょうか?」

幸い、以前は患者着(かんじゃぎ)に上下はき替えていただき、治療をしていたので、沢山患者着を用意しています。そこで、今では音楽関係の物置のようになった着替え室で上下ともはき替えていただきました。60才代の男性患者Aさんの濡れたシャツとジーンズを着替え室で干すことにしました。普段、治療している患者さんに風を送っているサーキュレーターを移動して、濡れたシャツとジーンズに風を当てました。

治療が終了して、シャツとジーンズの乾き具合をみてみると、ジーンズは良いのですが、シャツがまだ濡れています。そこで、アイロン掛けをすることにしました。当院は、中央部に3畳ほどのタタミ部屋が40cmの高さであります。そこに大きなタオルを敷くと、大きなアイロン台になるのです。普段は、私が操体法をしながらカラダと向き合う場所なのですが、アイロン台で、その上4つの引き出しがあるので、鍼やカルテやクッションの保管庫でもあります。

そこで、シャツにしっかりアイロン掛けして、気持ちよく着替えていただきました。もう患者着を使うことはないだろうと思っていたのですが、このような緊急時には役に立つのです!めでたし、めでたし。

やっぱり良くわからない

『帯状疱疹の原因は、子どもの頃に感染する水痘(水ぼうそう)と同じ水痘・帯状疱疹ウイルスである。ヘルペスウイルスの一種であるため、性器ヘルペスと同様に一度でも感染すると、ウイルスは体内の背骨付近の神経節に潜む。そのため、加齢やストレス、過労、後天性免疫不全症候群で免疫力が低下した時に症状が起きる。』

とあります。この時、肋骨に沿って帯状疱疹が出ることが多いのですが、この帯状というのがデルマトームの位置するところとなります。神経に沿った皮膚分節です。水疱瘡のウイルスが潜む神経節のもう少し背骨側に神経根があります。山元式新頭鍼療法(YNSA)ではこの神経根をピンポイントで狙い、頭に置鍼します。ということは、帯状疱疹にはYNSAが非常に効果があるように思います。最近、患者さんの痛みの部分と、デルマトームの図を照合して、

「どこが痛いですか?L2あたりですか?」

「そうですね・・・L2です。」

などと確認しながら、置鍼しています。これが効果的で患者さんにも納得していただいています。ただ、ここまで書いてデルマトームだけで、鍼麻酔が出来るとは思えなくなってきました・・・・やっぱり、山元先生に直接伺うに限るようです。

鍼麻酔

山元式新頭鍼療法(YNSA)創始者、山元敏勝先生は、今から55年前の1968年に、鍼麻酔で無痛分娩を成功させられました。その一説が先生の著書「あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!」に書かれていますので、記載します。

『1968年に針麻酔を導入し、無痛分娩を成功させたのです。

医大を卒業後、アメリカで学んだ麻酔学が針と出会うことによって、生まれた成果に、私自身、とても驚くこととなりました。

その後、この無痛分娩の回数を増やすとともに、一般的な外科手術にも針麻酔を導入していきました。西洋医学の麻酔は大きな副作用をともないます。これに対し、針麻酔は、副作用が一切ありません。そして術後の回復がとても早いのです。盲腸と言われる虫垂炎の手術では、一般的な場合、麻酔を使用すると、手術後ガスが出るまで、水分を取ることもできません。しかし、針麻酔での手術では手術中に水を飲むこともでき、手術後すぐに物を食べることもできます。小さい子供も、「手術が終わったらすぐにアイスクリームも食べられるよ」と言うと、手術を怖がりませんでした。

また、一般の外科手術でも、産婦人科での帝王切開手術でも、この針麻酔を使用することで、手術後、患者さんは麻酔の副作用に苦しむこともなく、歩いて病室に戻ることもできました。私はこの針麻酔によって、2000例以上の手術に成功を収めました。』

上記の様子をビデオ録画で見ましたが、手術中に水を飲んだり、手術後にスタスタと病室に戻っておられる患者さんの姿に強烈なショックを受けました。どの様にして山元先生は鍼麻酔の治療点を見つけられたのでしょうか?この本には記載されていません。

そこで、私の勝手な解釈を述べてみます。デルマトーム(皮膚分節)が関与しているのではないかと思います。明日このことについて述べてみます。

足へのお灸

「今日は、お灸でお願いします。」

2週間に1度のペースで来院される60才代の男性患者Aさん、首肩コリと腰痛です。私は、四国というマダガスカル島で、山元式新頭鍼療法(YNSA)を自分なりの解釈で行っているので、本来なら上腕診という脳と脊髄を診断する方法を、膝診というやり方に置き換えてしまったり、本来なら、頭に置鍼すべきところを、足にお灸をすることで、治療することもあります。効果は同じです。そのため、この2つを併用することが多くなってきました。

足のお灸治療の利点は、患者さんに治療点をお教えすることで、ご自身でお灸できることです。また、パイオネックス(円皮鍼)を貼れることも可能です。そのため、徐々に足お灸の治療が増え始めています。

それで、Aさんお灸11壮で治療終了となりました。自律神経と内臓の調整で首肩コリと腰痛が治りました!

湿邪にご注意!

梅雨に入りました。この時期に偏頭痛がでる・・・などと、病名が決まる以前の症状を訴える患者さんが増えています。これは、低気圧による身体のむくみ、それによる血流の悪さが原因の一つです。なぜ低気圧になると、身体がむくむかというと、深海魚を釣り上げた時の状態を思い浮かべると理解しやすいと思います。気圧の高い深海から低い海上に出てきた深海魚は、パンパンにむくんでいます。

極端な例ですが、我々も気圧の低い場所に移動すると、このような状態になるのです。特に、弱いところが、パンクした自転車のチューブのように膨張します。血管も膨張するため、血流に勢いがなくなり、本来血流の少ないところがもっと少なくなり、痛みなどが生じやすくなります。

また、カラダ中をサランラップに覆(おお)われたような不快感が生じ、熱い外気に触れると、カラダが結露を作り、かえって冷えてしまう結果を生みます。そうすると、古傷が出てくる恐れがあります。皆さん、梅雨の時期はお身体を大切しましょう!

下記はインターネットから引用した梅雨だるの原因です。参考にしてください。

梅雨だるの原因(1)自律神経の乱れ

私たちは、緊張モードの交感神経とリラックスモードの副交感神経をバランスよく切り替えて1日を過ごしています。しかし、梅雨時期のように気圧が低い状況が続くと、空気中の酸素が少なくなるため、身体は活動を最小限に抑えようと、本来活動的であるはずの昼でも副交感神経を優位にしてお休みモードになり、自律神経のリズムが乱れやすくなります。

梅雨だるの原因(2) 水分バランスの乱れ“湿邪(しつじゃ) ”

湿度の高い環境では、十分に汗をかくことができず、体内に余分な水分や老廃物が溜まりやすくなり、血めぐりが悪くなります。漢方医学では、このような不調を引き起こす湿度や湿気のことを “湿邪(しつじゃ)”と呼び、体内に取り込まれることで、頭痛、消化不良、便秘、むくみ、などの様々な不調が全身に表れます。

あはき法

今日は、ガレージの壁紙の撤去を一応終了しました。一応というのは、やはり一応で完璧にはできません。遠くから見ればもうバッチリです。そこで、以前患者さん集めをしようと思い作った看板が目を引きました。せっかく作ったのですが、掲示出来なくなってしまいました。

その理由は、「あはき法」という広告制限があるからです。「あ」というのは、あんまマッサージ指圧の事で、「は」というのは鍼治療、「き」というのは、灸治療のことです。

『近年、保健所の広告指導が厳しくなっており、行き過ぎた表示である「交通事故専門」、「むちうち専門治療」、「肩こり治療」、「腰痛症治療」等だけでなく、広告の制限の法律に掲げる事項以外は一切認めないという指導が開始され、全国に広まっています。

例えば、「各種保険取扱」の表現や病院では認められている「外観やスタッフの写真」も注意を受ける対象になっています。そのため、実際はほとんど広告できないのが現状です。』

とあり、広告はできません。それなのに、写真のような文章を掲げたものですから、市役所からお咎(とが)めの手紙が届きました。早速連絡したところ、直ちに取り外してくださいとの事でした。国家資格ではない整体などは、あはき法には縛られていないので、様々な広告を出すことが出来るのです。ちなみに、国家資格は、柔道整復師(接骨院)、鍼灸師、あんまマッサージ指圧師です。整体やカイロプラクティックなどは違います。

アメリカ事情

(写真は、文章と全く関係ありません)

アメリカは、反ベトナム戦争、ウーマンリブの台頭など市民が声を上げて政府を非難するデモなどを、お越す傾向があります。それに対して政府が動かざるを得ないときが出てきます。1991年10月、西洋医学のみの治療に反対する動きに対して、アメリカ議会が補完代替医療(西洋医学以外の医療、特に鍼治療は中心的役割をしています)を認め、OAM(代替医療事務局)を設立し2億円の予算を組みました。その後、1997年には、NCCAM(国立補完代替医療センター)と格上の組織になり、遂には、補完代替医療といっていた分野が、西洋医学と統合してIntegrative Medicine(統合医療)・・・つまり、西洋医学と補完代替医療が一緒になって患者さんのための医療、全人格的な医療を行いましょうとなっていったのです。

そして、2014年にはNCCIH(国立補完統合健康センター)とさらに格上げされ124億円の予算が組まれたのです。23年間で予算が60倍以上になっています。

また、ハーバード大学の鍼灸治療をされているデービッド・アイゼンバーグ博士は、1993年、アメリカ人がこの1年間で補完代替医療を利用した割合を発表しました。すると国民の34%が利用しているというデータとなりました。これは30年前のことで、このデータから今のアメリカにおける補完代替医療の利用者率の高さは推測出来ると思います。

これらのことから、私のやっている治療は間違っていないと確信しています。それをこれからどのように展開していくのか・・・・行動あるのみ!

補完代替医療

 

「アメリカにおける補完代替医療の復興と移民、針治療を事例として」という藤重仁子氏の論文を引用します。

『1970年代以降、アメリカでは補完代替医療の人気が高まっている。CAM (complementary and alternative medicine)とは「非正統医学(unconventional medicine)すなわち「正統派医学」(conventional medicine)とされる西洋医学の枠外にある医療の総称である。特に1990年以降は国立衛生研究所内にCAMの研究センターが設置設立されるほど研究も進んでおり、さらに、西洋医学とCAMを融合させ、患者中心の全人的治療を重視する「統合医療」も推進されてきている。CAMはもはや「代替」医療ではなく、「統合」されるべき医療であると言う認識意識が高まりつつあると言える。』

この冒頭で始まる論文では、アメリカの高収入、高学歴の人々が、「正統派医学」推進のアメリカ医師会の主張を受け入れず、CAMの治療を受ける実態を明かしてくれています。CAMの中でも鍼治療の役割は大きくなっています。

1993年ハーバード大学のデビット、アイゼンバーグ博士(鍼治療研究者)が権威のある医学、雑誌(New England Journal of medicine)で発表した記事には、アメリカ市民の約34%が過去1年間にCAMを利用したとあります。30年前で34%ですから、現在では50%以上の利用はあると推測されます。日本との差は歴然としています。

鍼灸がこれだけアメリカで認められているということは、日本に逆輸入することは分かっています。それを少しでも早くしたいものです。

モグサが出来た!

(ややグリーンっぽいモグサが出来たてのホヤホヤ)

友人から背丈の高さ1m近いヨモギをいただきました。そこで、以前から干してあるヨモギを触ってみると、カラカラに乾燥しています。インターネットで乾燥時間を調べると、2~3週間とありました。もう十分時間は経っています。そこで、干したヨモギ全てを取り込み、新しいヨモギを吊り下げました。

乾燥したヨモギは、45リットルのゴミ袋1杯あります。これをモグサにするのですが、葉っぱの裏にある細かい毛を集めるだけなので、少量しかできないと思って、出来るだけ多くヨモギを集めました。そして、試しに作ってみました。

すると、ヨモギの量とそんなに変わらないほどのモグサができました!ミキサーに10回程度かけていくと、薄いグリーンのきれいなモグサになりました。このモグサよく見ると、細かい葉っぱの粉がたくさん入っています。これを粗悪モグサといい、間接灸に適したモグサになります。上質のモグサに比べると、不純物が入っているので高温になります。私は、紫雲膏を患者さんの皮膚に乗せた上にモグサを置き火をつける間接灸なので、丁度いいのです。患者さんは、熱くなく気持ちよいお灸を受けられます。

出来上がったモグサを、早速今日の治療で使いました・・・・完璧でした・・・・ヨモギ餅の香りがして美味しそうでした・・・・今回集まったヨモギがらモグサを作ると、3~4年分くらいの量になりそうです。モグサは、年月が経つほど良くなりますので、最高です!

助成金

松山市鍼灸師協会の総会が、3年ぶりに行われました(ところが、私は日にちを1日間違い、出席できない失態を犯しました・・・・ただ、ただ懺悔)私が公の組織に所属するのは、この協会が初めてです。所属すると松山市在住で国民健康保険をお持ちの方、あるいは後期高齢者医療制度が適応される方は松山市から1000円の助成金が出ます。そのため、当院の施術費4000円が3000円になります。当院の患者さんの1/3~1/4は、この制度を利用されています。

当院では、助成金とは別に回数券制度を行なっています。回数券は有効期限が半年と1ヶ月の2種類あります。回数券は5枚綴りになっており、5回ご利用の場合、本来なら20000円のところが、18000円(有効期限、半年)と16000円(有効期限、1ヶ月)となります。

この回数券と助成金を利用すると、5回ご利用の場合、本来なら20000円のところが、13000円(有効期限、半年)と11000円(有効期限、1ヶ月)となります。となりずいぶんお得です。有効期限が1か月の回数券は、週1~3回利用される患者さんから非常に人気があります。これだと、本来4000円の施術費が2200円になるのです。

また、この回数券はご自身はもちろん、ご家族、友人も使用出来ます。ただし、助成金の対象が同じというのが前提です。例えば、回数券を購入された方が国民健康保険適用の場合で、適用外の友人の方がこの回数券をご利用する時は、1000円いただくことになります。それでも、本来4000円の施術費が1000円になるのですから、非常にお得です!

ドンドンご利用してください!