湿邪にご注意!

梅雨に入りました。この時期に偏頭痛がでる・・・などと、病名が決まる以前の症状を訴える患者さんが増えています。これは、低気圧による身体のむくみ、それによる血流の悪さが原因の一つです。なぜ低気圧になると、身体がむくむかというと、深海魚を釣り上げた時の状態を思い浮かべると理解しやすいと思います。気圧の高い深海から低い海上に出てきた深海魚は、パンパンにむくんでいます。

極端な例ですが、我々も気圧の低い場所に移動すると、このような状態になるのです。特に、弱いところが、パンクした自転車のチューブのように膨張します。血管も膨張するため、血流に勢いがなくなり、本来血流の少ないところがもっと少なくなり、痛みなどが生じやすくなります。

また、カラダ中をサランラップに覆(おお)われたような不快感が生じ、熱い外気に触れると、カラダが結露を作り、かえって冷えてしまう結果を生みます。そうすると、古傷が出てくる恐れがあります。皆さん、梅雨の時期はお身体を大切しましょう!

下記はインターネットから引用した梅雨だるの原因です。参考にしてください。

梅雨だるの原因(1)自律神経の乱れ

私たちは、緊張モードの交感神経とリラックスモードの副交感神経をバランスよく切り替えて1日を過ごしています。しかし、梅雨時期のように気圧が低い状況が続くと、空気中の酸素が少なくなるため、身体は活動を最小限に抑えようと、本来活動的であるはずの昼でも副交感神経を優位にしてお休みモードになり、自律神経のリズムが乱れやすくなります。

梅雨だるの原因(2) 水分バランスの乱れ“湿邪(しつじゃ) ”

湿度の高い環境では、十分に汗をかくことができず、体内に余分な水分や老廃物が溜まりやすくなり、血めぐりが悪くなります。漢方医学では、このような不調を引き起こす湿度や湿気のことを “湿邪(しつじゃ)”と呼び、体内に取り込まれることで、頭痛、消化不良、便秘、むくみ、などの様々な不調が全身に表れます。

あはき法

今日は、ガレージの壁紙の撤去を一応終了しました。一応というのは、やはり一応で完璧にはできません。遠くから見ればもうバッチリです。そこで、以前患者さん集めをしようと思い作った看板が目を引きました。せっかく作ったのですが、掲示出来なくなってしまいました。

その理由は、「あはき法」という広告制限があるからです。「あ」というのは、あんまマッサージ指圧の事で、「は」というのは鍼治療、「き」というのは、灸治療のことです。

『近年、保健所の広告指導が厳しくなっており、行き過ぎた表示である「交通事故専門」、「むちうち専門治療」、「肩こり治療」、「腰痛症治療」等だけでなく、広告の制限の法律に掲げる事項以外は一切認めないという指導が開始され、全国に広まっています。

例えば、「各種保険取扱」の表現や病院では認められている「外観やスタッフの写真」も注意を受ける対象になっています。そのため、実際はほとんど広告できないのが現状です。』

とあり、広告はできません。それなのに、写真のような文章を掲げたものですから、市役所からお咎(とが)めの手紙が届きました。早速連絡したところ、直ちに取り外してくださいとの事でした。国家資格ではない整体などは、あはき法には縛られていないので、様々な広告を出すことが出来るのです。ちなみに、国家資格は、柔道整復師(接骨院)、鍼灸師、あんまマッサージ指圧師です。整体やカイロプラクティックなどは違います。

アメリカ事情

(写真は、文章と全く関係ありません)

アメリカは、反ベトナム戦争、ウーマンリブの台頭など市民が声を上げて政府を非難するデモなどを、お越す傾向があります。それに対して政府が動かざるを得ないときが出てきます。1991年10月、西洋医学のみの治療に反対する動きに対して、アメリカ議会が補完代替医療(西洋医学以外の医療、特に鍼治療は中心的役割をしています)を認め、OAM(代替医療事務局)を設立し2億円の予算を組みました。その後、1997年には、NCCAM(国立補完代替医療センター)と格上の組織になり、遂には、補完代替医療といっていた分野が、西洋医学と統合してIntegrative Medicine(統合医療)・・・つまり、西洋医学と補完代替医療が一緒になって患者さんのための医療、全人格的な医療を行いましょうとなっていったのです。

そして、2014年にはNCCIH(国立補完統合健康センター)とさらに格上げされ124億円の予算が組まれたのです。23年間で予算が60倍以上になっています。

また、ハーバード大学の鍼灸治療をされているデービッド・アイゼンバーグ博士は、1993年、アメリカ人がこの1年間で補完代替医療を利用した割合を発表しました。すると国民の34%が利用しているというデータとなりました。これは30年前のことで、このデータから今のアメリカにおける補完代替医療の利用者率の高さは推測出来ると思います。

これらのことから、私のやっている治療は間違っていないと確信しています。それをこれからどのように展開していくのか・・・・行動あるのみ!

補完代替医療

 

「アメリカにおける補完代替医療の復興と移民、針治療を事例として」という藤重仁子氏の論文を引用します。

『1970年代以降、アメリカでは補完代替医療の人気が高まっている。CAM (complementary and alternative medicine)とは「非正統医学(unconventional medicine)すなわち「正統派医学」(conventional medicine)とされる西洋医学の枠外にある医療の総称である。特に1990年以降は国立衛生研究所内にCAMの研究センターが設置設立されるほど研究も進んでおり、さらに、西洋医学とCAMを融合させ、患者中心の全人的治療を重視する「統合医療」も推進されてきている。CAMはもはや「代替」医療ではなく、「統合」されるべき医療であると言う認識意識が高まりつつあると言える。』

この冒頭で始まる論文では、アメリカの高収入、高学歴の人々が、「正統派医学」推進のアメリカ医師会の主張を受け入れず、CAMの治療を受ける実態を明かしてくれています。CAMの中でも鍼治療の役割は大きくなっています。

1993年ハーバード大学のデビット、アイゼンバーグ博士(鍼治療研究者)が権威のある医学、雑誌(New England Journal of medicine)で発表した記事には、アメリカ市民の約34%が過去1年間にCAMを利用したとあります。30年前で34%ですから、現在では50%以上の利用はあると推測されます。日本との差は歴然としています。

鍼灸がこれだけアメリカで認められているということは、日本に逆輸入することは分かっています。それを少しでも早くしたいものです。

モグサが出来た!

(ややグリーンっぽいモグサが出来たてのホヤホヤ)

友人から背丈の高さ1m近いヨモギをいただきました。そこで、以前から干してあるヨモギを触ってみると、カラカラに乾燥しています。インターネットで乾燥時間を調べると、2~3週間とありました。もう十分時間は経っています。そこで、干したヨモギ全てを取り込み、新しいヨモギを吊り下げました。

乾燥したヨモギは、45リットルのゴミ袋1杯あります。これをモグサにするのですが、葉っぱの裏にある細かい毛を集めるだけなので、少量しかできないと思って、出来るだけ多くヨモギを集めました。そして、試しに作ってみました。

すると、ヨモギの量とそんなに変わらないほどのモグサができました!ミキサーに10回程度かけていくと、薄いグリーンのきれいなモグサになりました。このモグサよく見ると、細かい葉っぱの粉がたくさん入っています。これを粗悪モグサといい、間接灸に適したモグサになります。上質のモグサに比べると、不純物が入っているので高温になります。私は、紫雲膏を患者さんの皮膚に乗せた上にモグサを置き火をつける間接灸なので、丁度いいのです。患者さんは、熱くなく気持ちよいお灸を受けられます。

出来上がったモグサを、早速今日の治療で使いました・・・・完璧でした・・・・ヨモギ餅の香りがして美味しそうでした・・・・今回集まったヨモギがらモグサを作ると、3~4年分くらいの量になりそうです。モグサは、年月が経つほど良くなりますので、最高です!

助成金

松山市鍼灸師協会の総会が、3年ぶりに行われました(ところが、私は日にちを1日間違い、出席できない失態を犯しました・・・・ただ、ただ懺悔)私が公の組織に所属するのは、この協会が初めてです。所属すると松山市在住で国民健康保険をお持ちの方、あるいは後期高齢者医療制度が適応される方は松山市から1000円の助成金が出ます。そのため、当院の施術費4000円が3000円になります。当院の患者さんの1/3~1/4は、この制度を利用されています。

当院では、助成金とは別に回数券制度を行なっています。回数券は有効期限が半年と1ヶ月の2種類あります。回数券は5枚綴りになっており、5回ご利用の場合、本来なら20000円のところが、18000円(有効期限、半年)と16000円(有効期限、1ヶ月)となります。

この回数券と助成金を利用すると、5回ご利用の場合、本来なら20000円のところが、13000円(有効期限、半年)と11000円(有効期限、1ヶ月)となります。となりずいぶんお得です。有効期限が1か月の回数券は、週1~3回利用される患者さんから非常に人気があります。これだと、本来4000円の施術費が2200円になるのです。

また、この回数券はご自身はもちろん、ご家族、友人も使用出来ます。ただし、助成金の対象が同じというのが前提です。例えば、回数券を購入された方が国民健康保険適用の場合で、適用外の友人の方がこの回数券をご利用する時は、1000円いただくことになります。それでも、本来4000円の施術費が1000円になるのですから、非常にお得です!

ドンドンご利用してください!

ヨモギ狩り

患者さんや患者さんの友人、私の友人からヨモギ情報をいただき、ヨモギ狩りをしていただきました。皆様、本当にありがとうございました!これらの貴重なヨモギをカリカリに乾燥させ、ミキサーで何度も何度も細かくしていくと、ヨモギの葉の裏側にある2種類の毛だけが残っていき、毛玉の様になります。これがモグサです。

愛媛県で唯一モグサ作りをしておられた棟田商会さんが、今年3月で店を閉じられました。そのため、「あじさいの杜オリジナルモグサ」を作ることにしたのです。鍼灸の専門学校では授業でモグサ作りをするところもありますが、私の母校では作りませんでした。そのため、初挑戦となります。まずどのくらいの量が必要なのかもよく分かりません。1度作ってみて、それから次のステップに進もうと思います。

今日の午前中、東温市の友人のl田んぼの畔(あぜ)にあるヨモギをいただきました。ゆっくりと散歩するだけで、気持ちよく、しかも「チネオール」という精油を含んでいるヨモギに触れるだけで、元気をもらえます。このモグサ作りが上手くいくと、何人かを集めてワークショップが出来るかも知れません。そうすれば、お灸が身近なものになって行くかもしれません・・・・まあ、とにかく作ってみます!

チネオール

お灸に使うモグサは、ヨモギの葉の裏側にある2種類の毛から出来ています。一つは毛茸(もうじょう)と呼ばれる密生した白い毛で、もう一つは腺毛。これは「チネオール」という精油を含んでいるため、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用などの働きを促すそうです。このヨモギの作用と共に患部を直接お灸で温めて血行を良くすることにより、痛みは改善されるのです。

私が小学生の頃は、すり傷が絶えませでした。その度に、ヨモギを見つけては平らで大きな石の上に置き、拳(こぶし)より小さめの石で、たたいてその汁を傷口につけて治療をしていました。この時の原体験がカラダに染みついているのでしょう、いつのまにか鍼灸師になっていました。

「ひろむ(私の本名)、ケガしたらヨモギの汁を付けたらええんじゃ、それで治るんじゃ。」

これが、父親の生き様であり、私もそのように生きてきました。京都の山奥美山町で生活していた時、木から転げ落ちた事がありました。その時も、右膝の傷口にヨモギ汁をしっかりと塗りつけたのですが、中々腫れが治らないので、翌日病院に行ったのです。

「いいですか、ケガをしたら余計なものを塗ったりしないでください・・・・傷口が悪化するだけです。」

と医師に言われ、以後ヨモギ汁は使わなくなりました・・・・でも、チネオールの作用は信じています。

モグサを作るぞ!

残念ながら、道後温泉湯艾の発売元の棟田商会が、今年4月で仕事を辞められました。私が、専門学校(東京医療専門学校)の学生時、その品質の良さからわざわざ取り寄せていたほどのしっかりとした仕事をされていました。専門学校の実技試験では、いかに早く綺麗なモグサをひねれるかが、重要になるので、このモグサを秘密兵器としてクラスメートに教えていたのです。しかし、時代の流れには勝てませんでした。

そこで、今年はモグサを作ります。YouTubeを見れば簡単に作ることがわかりました・・・これも、棟田商会がなくなる原因かも知れません。5月ころ、比較的柔らかいヨモギを収穫し、乾燥。それをミキサーで何度も何度も細かくしていくと、ヨモギの葉のうらにある細かい繊維だけが残ってきます。それがモグサなのです。

大根葉を干すベランダがある我が家は、モグサ作りに最適なのです。患者さんでヨモギがたくさんある土地をお持ちの方がおられるので、取りに行きます。きっと新たな発見があると思います。楽しみです。

直接灸

 

今までやったことのないお灸をしています。本来のお灸は、半米粒大~米粒大の大きさのモグサに線香の火をつけ、火が皮膚に到達する手前で人差し指と中指を使って、火を消します。そのため、ヤケドにはなりません。ところが、多くの人はてんこ盛りのモグサに火をつけて皮膚を焼ききるイメージを持っておられると思います。しかし、こんなことをしたら、患者さんは逃げてしまいます。

そこで、私はゴマ油、ミツロウをベースとしたヤケドに効く紫雲膏を皮膚にのせ、その上にお灸をする間接灸をしています。これだと心地よい熱のお灸となり、結構人気があります。ところが、そんなお灸をではなく、皮膚を焼ききるお灸をせざるを得なくなったのです。

「すみません、突然で申し訳ないのですが、腰に印をつけたところに、お灸をしてもらえないでしょうか?偉い先生に診てもろて、ここにお灸したら一発で治ると言われたんです。」

「・・・・・いいですよ。ただ、どうしてその偉い先生にはしてもらえないのですか?」

「もうお年で、治療院も閉められたので、やっておられるんのです。」

「・・・・・なるほど、そうしたらやりましょう。」

ということになり着替えていただき、ベッドでうつ伏せにのままお灸をすることとなりました。

一回目のお灸は焼ききるようにはしない間接灸としたにですが、

「偉い先生曰く、焼ききらんといかんそうです。」

ということになり、2回目は米粒大のモグサを、焼ききるお灸を行いました。すると、

「普段歩くには、痛みを感じんのですが、朝起きてから10分が腰が痛いのです。」

と、徐々に良くはなっているようです。3回目はモグサをもっと大きい半小豆大くらいのモグサにして焼ききりました。腰回りの9カ所に45分のお灸です、かなり辛抱されていました。さて、次回はどのような結果になるのやら・・・・見当がつきません。