人体実験

 

「先生の治療受けて2~3日、調子ええんよ。でな、調子に乗りすぎて草引きやら、色々動こう?それで、また右肩が痛とうなるんよ。」

「う~~ん。分かった、そしたら今日は、横向きになってもろて、いきなり腰を押してあげらい。」

ということになり、80才代の女性患者Aには、腰の大切なツボを中心に、仙骨周辺もしっかり押圧することにしました。

「先生、よう効く・・・・気持ちがええ!」

「気持ちのええんが一番よ!気持ちようて治るんじゃったら最高じゃろ?・・・・で、どうなん?・・肩?」

「・・・あれ?どしたん・・・痛ない!先生は、腰を押しとるだけじゃのに?」

「あのね、肩と腰が引っ張りあいしとるんよ。ほじゃけんな、腰がゆるむと肩もゆるむようになっとるんよ。簡単じゃろ?」

「そんなもんね?・・・ほじゃけど、今度は首の根っこの方が痛なった!」

「う~~ん、そうなん。そしたらここ、押してみようわい・・・人体実験。」

「人体実験?!」

「そうよ、人体実験・・・どう?」

「・・・・・・あれ、ようなっとる。」

「やっぱり!」

などと、取り止めのない会話が続く治療でした・・・・おしまい。