国宝

昨日は、話題の映画「国宝」を観ました。「歌舞く」とは、常識や慣習から外れた、派手で奇抜な振る舞いをすること。そこが、任侠の世界とも通ずるところがあり、任侠人が歌舞伎役者を贔屓(ひいき)することもあったようですね。主演の吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さんも素晴らしかったのですが、田中泯さんが、重要なポジションで歌舞伎の本質を体現しておられました。

田中泯さんは、私の大学の先輩にあたります。そのため、在学中に大学の真っ白なスタジオで、田中泯さんの泥だらけの裸踊りを観る授業がありました。当時、東洋一の肉体美といわれていたのですが・・・気持ち悪さ、奇抜さだけがココロに残りました。田中泯さんは一人で踊り、山梨県の山奥で井戸を掘り、生活され・・・暗黒舞踏の創始者・土方巽(ひじかたたつみ)さんとの交流後、暗黒舞踏の踊り手となりました。

土方巽さんが亡くなった1年後、ベルリンのクンストラハウスベターニアンという国際的現代美術センターで踊り、評価を得てから、世界各国で踊り暗黒舞踏を世界に広めました。私の友人である梅棹マヤオさんの自宅(京都美山町)でも踊られました。

「ああ、パイクか!あそこの隣りの屋根があるだろう・・・あそこで踊ったよ。」

私が20才代のころ、ニューヨークでナムジュンパイクさんのアシスタントをしていた話になり、田中泯さんからポロッと話しを伺いました。

その田中泯さんが踊る歌舞伎こそが、歌舞伎。最後に吉沢亮さんと横浜流星さんが踊る歌舞伎は、田中泯さんの指導があったのでは・・・・と、一人勝手に想像して嬉しがっています。もう一度観たい映画です。