左O脚をややX脚にする手術を受けた60才代の女性患者Aさんの続報。
「先生、ずいぶん良くなったので、小走りしてみようかと思たんよ。」
「通勤でここ(あじさいの杜鍼灸院)通るじゃろ。ほじゃけん、車から降りて、お陰様で調子がええって言おうと思たぐらいなんよ❣️」
Aさん、外果治療点だけで相当回復したようです。
これだけ回復すると、次の段階に進めます。そこで今回は、クスノキ木霊療法の「瘤(こぶ)渡り」。写真のように瘤(こぶ)を置き、なるべく壁や柱に触れないで渡るゲーム。
操体法の創始者橋本敬三先生が、「生体の歪みを正す」(創元社)p226で、
小学校の軒下に砂利道をつくらせて虚弱児童を毎日裸足で100メートルぐらい歩かせたら非常に有効であった。この話を、出征中、同僚の軍医に話たら、帰ってからこの人は1メートル四方ぐらいの砂場のような小石場をつくり、毎日そこで足踏みをさせて大いに有効だと語ってくれた。
とあります。神社で砂利道を、お百度詣りをするのは、実は、ご本人の健康のためにもいいことだったのです。
実際2004年、スペイン、マジョルカ島のジョアン・ミロ美術館で2カ月滞在して子供達と一緒に積み木遊びのワークショップをしたことがあります。
広い前庭に砂利、積み木、砂で道を作り、6周(300mくらい)し、10分お昼寝を2週間。
この時は、子供達のカラダが見事に変化し、元気になりました。
あの時の集大成が、クスノキ木霊療法の瘤(こぶ)渡り。
砂利道を歩くと痛いため、逃避反射をします。無意識の動きです。これは、カラダが欲している動きで、歪みを取ってくれます。
京都で操体法を追求し普及されている丸住和夫先生は、「おっとと・・・操体」と命名され無意識の動きを引き出しておられます。
また、総合格闘家の先駆者、平直行先生は無意識の動きと武術の本質を追求し、新たな治療法を確立されています。
私の師匠、今昭宏先生は、自発動と呼び皮膚に軽い刺激を与えながら、無意識の動きを導いています。
このように、無意識の動きに焦点を当て、治療している方々は、操体法関係者に数多くいます。つまり、橋本敬三先生の思いが、形を変えて展開しているのです。
さてAさんの瘤(こぶ)渡り。
「先生、これ痛気持ちがええね~~❣️」
と楽しそうです。5往復くらい柱、壁を伝(つた)いながら渡れました。背中の張りが、ビフォー、アフターでは全く違います。ある程度良くなった患者さんには、非常に効果的です。
その後は、外果治療点とその周囲に合計8の置鍼。頭には3本の置鍼で終了しました。
随分良くなったAさん、次回何を喋ってくれるか楽しみです。