宮崎YNSAセミナー(症例4)

変形性頚椎症および腰椎症の80才代の女性患者Dさん、肩凝りが激しいとのことです。

「先生、ここらへんが痛いです。」

両肩をさすって肩凝りの状態を、山元先生に伝えられます。

山元先生は、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしながら、オデコの中央部に次々と置鍼を5本。

 

「どうですか?」

「まだ、痛いです。」

今度は、山元先生、Dさんの頭頂部めがけて2本置鍼されます。

「どうですか?」

「・・・・痛くないです。」

 あまりに突然良くなったので、呆然としている私の耳元で、ベテラン鍼灸師の先生が、

「あれは、肝に刺したのです。肝は肩凝り(僧帽筋辺りを指差して)によく効きます。」

と、教えて下さいました。ここでいう肝とは、12脳神経、12内蔵合法点における10番目の肝。これを読んで分かる方は、ほぼいらっしゃいません!

そこで、小学校高学年でも分かるように説明したいと思います。

受精卵が分割して内胚葉、中胚葉、外胚葉となって徐々に人型が出来てきますが、大元は一個の受精卵。全てがつながっています。特に外胚葉は、外側の表面がくぼんで筒状となり、それが神経の大元となります。それが集まったものが、脳。

くぼんでいない外胚葉の多くは皮膚になります。頭皮と神経が密接な関係にあるのがよく分かると思います。神経は大きく分けて脊髄から根っこのように広がった脊髄神経と、脳から直接、頭を中心に根っこを張った脳神経があります。

この脳神経が12種類あって、頭皮には根っこのような脳神経を刺激するポイントが、オデコの中心部から頭頂部にかけて、きれいに並んでいます(写真参照)。

そして、そのポイントは、心臓、肝臓などの12の内蔵とも関係があるのです。元々、一つの受精卵だったので、一つのポイントが、様々なところにつながっているという考えは、理にかなっていると思います。

ただ、何故、肝を刺激すると、肩コリがよくなるのか分かりません。ゴメンなさい!