ガニ股を治そう

「やっぱり運転しよったら、どうしても、ケンビキ(肩甲骨内側)が、痛なるんよ。」と運送業を営む50才代の男性患者Cさんが、来院するなり、おっしゃいます。

「そしたら、また石の上を歩いてもらいましょか。」

今回は、石の数を1~3に途中で変えたり、クスノキの瘤(こぶ)にしたり(写真参照)して、なるべく長く歩いてもらいました。約10分、頑張ってもらいました。

「今、ケンビキは、どうですか?」

「足ウラが痛いけん、ケンビキは忘れとらい・・・・もう、痛ないな、ひどいもんじゃな~。ピリピリしよったんが、治っとらい。」

どうやら、8~9割の治療はこれで終了。この状態で、合谷診(親指と人差し指の間の触診)をしてみると、右腰椎点にコリがあるだけで、調子はいいようです。オデコの左上(C点) に2本置鍼。左耳ウラに1本の置鍼。

もう一度、ケンビキ(肩甲骨内側)を丁寧に診ると、少しコリが残っています。そこで、左腸骨と腰椎の間の圧痛点に鍼を刺し抜いて、

「Cさん、ケンビキどうですか?」

「ん・・・大丈夫じゃ。」

「ここで治っても、運転しよったら、左足がだんだんガニ股になって、気がついたら、クラッチを小指側で踏みよるんじゃけど・・・・」

「少し左足を引いてみたら?・・・・剣道の構えみたいに・・・」

「そうじゃね~、それがええかもしれん。」

Cさんは、ご自身のガニ股が、お尻の筋肉を縮めそれが、ケンビキ(肩甲骨内側)の痛みに影響している事を理解していますが、なかなか、ガニ股歩きを治すことが難しいようです。

仕事の姿勢で歪みを作っている患者さんが、非常に多いのでこまめに指摘し続けるしかないようです。