肩甲骨⇄腸骨 頭蓋骨⇄仙骨

体調崩すと来院される60才代の男性患者Aさん。朝起きると、腰に張りがあり前屈すると骨盤の上が痛いそうです。午前中に電話があり、夜8:30からの治療となりました。

「先生、今日は鍼じゃのうても、ええけん。治して下さいや。」

『よっぽどのことが無い限り、鍼以外はしません・・・』と思いつつも、言葉には決してしません。

合谷診(人差し指と親指の触診)の後、とくに眉毛の上の圧痛点に左右合計6本置鍼。Aさん

は、三叉神経痛の持病を持っていたこともあり、眉毛の上を丁寧に診ると、mm単位で圧痛点があります。この置鍼だけで、腰痛はかなり軽減しました。

「先生、痛みが点になった来た・・・今は、ここじゃわい!」

仙腸関節の出っ張り(上後腸骨棘:じょうごちょうこつきょく)の上にゴリゴリがあります。

肩甲骨⇄腸骨

と考えると、肩甲骨下角(かかく)あたりが、仙腸関節の上に対応します。丁寧に探すと、

「先生、そこじゃ!痛い!」

Aさんの圧痛点は、あちこちに移動するので、それに合わせて

頭骸骨⇄仙骨

下顎骨⇄寛骨(腸骨+坐骨+恥骨)

頚椎⇄腰椎

の見方を追加しながら、鍼を刺していきます。頭骸骨⇄仙骨の見方から、頚椎1番あたり(天柱:てんちゅう)で、腰の圧痛点が取れていけます。

最近では、天柱に鍼を刺すという意識ではなく、腰に対応する頚椎の圧痛点に、鍼を刺すという感覚で治療しているようです。

「先生、そこじゃ~~、爆弾が破裂した・・・・ハアアハ・・・頭まで電気が走るし、腰に来た~~」

Aさんの実況放送は、生々しいしいので、テープで録音したいくらいです。まあ~よくもこんなに言語化できるものだと、感心してしまいます。

「先生、もうこれで十分じゃ。」

いつものように、治療の終了をAさんが決め、

「また痛なったら、突然電話しますけん、よろしくお願いします。」

ニコニコ顔のAさん、スタスタと帰られました。