肩甲骨と腸骨

体調崩すとその日に電話予約をして、来院される60才代の男性患者Aさん。今回は、左の首に硬いコリと、左下肢(腰からカカトまで)に痛みがあるそうです。まず合谷診(人差し指と親指の間の触診)をします。カラダは左側に痛みがあるのですが、合谷診では、あきらかに右手に圧痛点、コリがあります。そのため、左頭鍼が11本、右頭鍼が3本となりました。

これが山元式新頭鍼療法(YNSA)の面白いところです。理由はよく分かりません。

Aさんは、感覚が鋭く、素直なため反応が早いのです。

「先生、首がゆるんで来よらい・・・分かる。」

「そこじゃ!ひえ〜〜・・効いた!」

「頭に・・・来た、来た、来た・・・・ここじゃ。」

と、指を指して響く個所を教えてくれます。こういう患者さんの治療は、どんどんエネルギーをもらうので、楽しいです。

左下肢の痛みに対し、左上肢を治療するのが、山元式新頭鍼療法(YNSA)の1つにあります。これは、非常に興味深い見方です。上肢と下肢の構造を理解し、比較することで、痛みのある部位に対応する部位(上肢⇄下肢)が分かります。

Aさん、左のお尻は、どこ辺が痛いんですか?」

「後ろの方(坐骨)じゃね・・・・・」

「ということは、肩の後ろの方(三角筋後部繊維)に、痛いところがあるはずじゃ。」

「痛ったたたた・・・・そこじゃ、先生!」

こんな風にAさんが教えてくれた個所に対応する圧痛点を見つけて、鍼を刺し抜いていくだけです。

「先生、あとは左の足首だけじゃ。」

「ちゅうことは・・・・ここじゃな。」

と、Aさんの左手首の小指側の圧痛点を見つけ、押圧。

「痛い‼️そこ、そこ・・・」

鍼を刺すと、

「先生、これでええわい。痛ない・・・・十分じゃ。」

と、ニコニコ顔で帰るAさんでした。