京都出張2日目

「今日は、足が北極の氷みたいに、冷たいの・・・・どうにかして❗️」

70才代の女性患者Cさんのご要望です。長年お付き合いのある患者さんのため、私が鍼灸師になる以前、操体法で治療していた事もありました。そこで、今回は操体法と鍼治療を併用することにします。

京都は、今年一番の寒さ。雪のチラつく大徳寺の茶室となると、エアコンはあるものの寒いです。Cさんは、茶室に入ってこられるやいなや、靴下を脱いで布団に入り、お休みの態勢です。

そこで、早速素足の底に手をやると、確かに氷のように冷たいのです。いきなり難題を持ち込まれました。

「そうしたら、手からやっていきましょう。」

左手の圧痛点の「筋膜はがし」を丁寧に行います。ねらいは、左足の血流アップ。下肢と上肢は、おヘソを介して上下対称に痛みやコリが分布しています。そのため、左手のコリを取れば、左足のコリも取れていきます。

「Cさん、足の冷えはどうですか?」

「・・・・そうね、北極の氷から、南極の氷に変わったくらいかな?」

「そうですか・・・そしたら、右手に移ります。」

左手同様に、右手の圧痛点筋膜はがしを続けます。両手の平は、ピンクと赤のツルツルした色に変わってきました。

「今も、冷たいですか?」

「そんなに変わらないわね。」

次に、左右側頭部にあるIソマトトープ(小さな人型)の足に位置するところに、軽く指を置く治療。約5~6分経過して、

「今度は、どうですか?」

「そうね・・・・北海道の氷くらいに、なったかな・・・」

少し変化が見えてきたようです。今度はいきなり◯◯◯◯◯◯という後頭部の治療点に指を置いてみました。6~7分経って効果が見えてきました。

「関東の透けてきた氷くらいになって・・・氷が指先だけになってきた。」

と、突然Cさんの右膝に痛みが走りました。そこで、右肘の圧痛点を見つけ気持ち良く押圧。

「どうですか?」

「・・・・治(おさま)ってきました。」

今度は、後頭部のKソマトトープ(小さな人型)にある足底に位置する治療点に指を置きます。どうやらこれも効いたようです。今まで透けていた氷の指先がみるみる溶け始め、第5趾と第4趾に氷が残る程度になりました。

「第5趾、第4趾以外は、どんな感じですか?」

「そうね・・・お湯じゃないけど、普通の水になってきました・・・あれっ、また右膝が痛くなって来た」

そこで、右側頭部のIソマトトープのG点に置鍼。これで右膝の痛みは取れました。後は、両足の第5趾、4趾の氷・・・・これらを、両手の小指、薬指に気持ちよく押圧し、

「関西の透けた薄氷になったわ。」

この時点で、治療終了となりました。