陽の鍼(はり)

3年間偏頭痛に悩んでるいる40才代の女性患者Cさんの続報

「今日は、午後から頭が痛くて、痛くて・・・・そやけど、それまでは、保(も)ちました。」

「えっ!・・2週間も保(も)ったの⁉️」

1週間前には、広島までスーパージェットという高速船に乗って出張にも行けたそうです。今朝起きた時は、すっきりしていたのですが、午後2時ころから、偏頭痛が始まり痛さのあまり、髪の毛をかき乱していたそうです。Cさんの偏頭痛は左アゴから左後頭部、左首までに片寄っています。

「今回は、今までと違うやり方をしてみましょう・・・人が四つんばいになって陽(ひ)が当たるところが陽。今までは、当たらない陰の方に鍼を刺してたんじゃけど、Cさんの頭痛は慢性的じゃから陽の方がええかもしれん。」

大切な脳を守っている頭蓋骨には、縫合というチャックのようなギザギザした繋(つな)ぎ目があります。骨模型(とんすけ君)の縫合をマジマジと見ていると・・・これは、きっと大事なツボがあるに違いない❗️・・・と、思ってしまいます。後頭部にあるアーチ状のラムダ縫合が、前頭部の生え際に対応します。ですから、後頭部をオデコに置き換えて刺すだけ、簡単です。

合谷診(人差し指と親指の間の触診):右(右側から治療していきます)

合谷診の進化系(合谷診と同じ個所の約3cmに頸椎~小脳までの診断点があり、圧痛点を探る)

(上腕診の代用)

左:頸椎(4)、脳幹(1)、小脳(0)

右:胸椎(0)、腰椎)1)、小脳(1)

(  )内の数字は置鍼数・・・左の頸椎は、やはり多くなりました。

上記の置鍼で痛みの範囲は狭くなりましたが、左ノドと左アゴに痛みが残ります。

「先生、右の肩を思い切りつかむと・・・こうやって・・・左の痛みがスーッと無くなるんです。」

Cさんが、大変いいアイデアをくれました。3年以上も頭痛と付き合っているCさんは、偏頭痛のプロ。どんどん教えてもらいましょう。右の肩は大腸診断点、Cさんは便秘気味なので、やはり反応があるのです。よく調べてみると、胃、脾(ひ)にも圧痛点があります。対応する治療点に1本ずつ3本置鍼。

「先生、痛みが減った・・・けど、左の肩がしんどい。」

同じように、左の大腸、胃、脾にそれぞれ1本、合計3本置鍼。それでも、まだノドに痛みが残ります。そこで、前回と同様に、脳神経9番(舌咽神経)ねらいで置鍼2本。

「完全じゃあないけど、良くなりました。」

今回は、これでうつ伏せになり、15分ほど休んで治療終了。陰だけでなく、陽の置鍼も患者さんに合わせてしていこうと思います。