あきらめなければ、痛みも、麻痺も、必ず治る!抜粋9

科学が証明した、針の6つの効果の残り3つ

 『4)硬くなった筋肉を緩め、血液の流れをスムーズにする

針は、硬くなった筋肉をほぐし、血液の流れを良くします。

針を刺すと、筋肉の中の血管が広がり、筋肉の中に血液が多く取り込まれます。すると、血液の中にある酸素やさまざまな成分によって、痛みや緊張で硬くなっていた筋肉が緩み柔らかくなるのです。筋肉が柔らかくなることによって、さらに血液の流れが良くなる効果も生まれます。

5)体を守る免疫力を高める

針には、外敵から体を守る力を高める働きもあります。

体には、細胞やウィルスなどの敵が体内に入ってくると、それを体の外に出したり、死滅させたりする、「免疫」と言う働きがあります。

ひと言で免疫といってもその働きは実にエキサイティングで、まるでハリウッドで作られるSF映画の戦闘シーンのような戦いが、体の中で毎日繰り広げられているのです。

血液中の白血球という成分が、体に入ってきた敵と戦うことはよく知られています。その白血球が持つ免疫細胞には多くの種類があり、体を守ってくれるその細胞たちの名前も、まさに映画の登場人物のようです。

全身の組織に存在して、出会った敵を次々と食べていく大食細胞の「マクロファージ」。このマクロファージは、体に入ったウィルスやカビ、がん細胞も食べてしまいます。

そして、敵を見つけると攻撃して破壊する「ナチュラルキラー」。この細胞は、がん細胞が大きくならないうちに破壊したり、ウィルスや細胞に感染してしまった体内の細胞も破壊していきます。「マクロファージ」は敵の細胞を食べるとその敵と同じ仲間に目印をつけると言う技も持っています。司令官の役割を持つ「ヘルパーT」がその目印を見つけ部下である「キラーT」に出動命令を出して、敵を攻撃させる。体内ではこのような連携プレーまで行われています。

体の中にはまだまだたくさんの免疫細胞による働きがあり、体をつねに外敵から守っているのです。

しかし体が熱く疲れたり、ストレスを受けると、この免疫力は下がり、病気にかかりやすい状態になってしまいます。針の刺激にはこの免疫力免疫の力を高める働きがあるのです。

6)自己治癒力を高める

針は、人間がもともと持っている、病気を治す力を高めます。

人間の体には「自己治癒力」と言う働きがあります。文字の通り、人間は、自分で自分の体を治療して、治す力を持っているのです。いまお話した敵と戦って体を守る免疫も、この自己治癒力のひとつです。

体は切ったり転んだりして傷ができても、もとの状態にもどります。傷によって細胞が壊れても、細胞が再生して元の状態に戻るのです。また、風邪をひいたときでも暖かくして寝ていれば、薬などを飲まなくても治ってしまいます。

骨が折れても、周りを固定して動かないようにすることで、骨の折れた部分はつながり、元の状態に近い形に回復します。

トカゲが敵から逃げるために自分で尻尾を切っても、もとの状態にもどることはよく知られています。

実は、人間の内臓にも、そのような働きがあるのです。人間の肝臓は、切除しても元の形にも再生します。仮に肝臓全体全体の80%を切除してしまっても、数ヶ月後には元の形にもどるのです。

人間の体には、このように、かかってしまった病気や傷を自分自身で治す働きがあります。

針にはこの自己治癒力を高める働きがあるのです。

このように針が持つ効果についてお話しすると、人間の体にはいかに人間自分の体を守り、元気を保つための働きがあるのかが、おわかりいただけると思います。

針には、この人間がもともと持っている力を引き出し、強める働きがあるのです。』

このように、針には人間の持つ潜在能力を引き出してくれるのです。そして、最近つくづく思うのは治療というのは、患者さんとの共同作業であるということです。患者さんの体の声を2人で聞いて、確認することが最も大切なことだと思います。

明日は、神経について説明します。