YNSA創始者・山元敏勝先生の著書から抜粋しました。私は30才代のころ精神科の病院で、芸術療法家として、40才代には看護助手として働いたことがあります。独房、閉鎖病棟、開放病棟を見てきました。どんな良い病院でも、薬治療がメインとなっています。この抜粋文を読むと、精神科医病棟で針治療ができたら・・・・なんて、思ってしまいますよ!
『 5年間悩んでいた「うつ病」の、つらい症状が改善し、抗うつ剤の量を減らすことができた
うつ病 男性 38歳 会社員
この患者さんは、長い間苦しまれていた「うつ病」の治療のためにみえました。
会社勤めをされている方でしたが、仕事でのストレスが大きな負担になっていたようでした。
他の病院で「うつ病」と診断されたのは5年ほど前で、それからずっと抗うつ剤の服用を続けておられるとのことでした。
しかし、患者さんご本人は、「薬には副作用があって体にはよくないと思うので、抗うつ剤を飲むのをやめたい」という意志を持っておられました。しかし、薬の薬用を止めると、つらい症状が起こると言う恐怖心から、やめたいけれどやめられないという状況でした。
首診を行うと、内臓に関わる点と脳幹に関わる点に反応がみられました。この2つの点は「うつ病」の患者さんに見られる特有の点であり、この反応からも明らかに「うつ病」であると診断できました。
この2つの点に針を刺し、「気分はどうですか?」と尋ねると、「とても気持ちがいいです。なんかすっきりしている感じがします」と言われ、表情も一変しました。
YNSAでのうつ病の治療では、このように、すぐに心地よい感覚をもたれることが多くみられます。しかし、ある程度続けないと、すぐにぶり返すこともあるため、この患者さんは現在も2週間に一回、治療を続けています。患者さんがとても気にされていた抗うつ剤は飲まないでいられることが多くなり、どうしても飲まないとならない場合でも、半分の量にまで減らすことができています。
「うつ病」の治療は、患者さんの気分がよくなることがすべてであり、薬の服用が必要な場合であっても、それ自体を否定するのではなく、量を少しずつでも減らし最小限にとどめることも大きな効果といえます。』
胸鎖乳突筋(胸骨と鎖骨から後頭部にある乳様突起にかけて斜めに走る筋肉)の中央部に肝経(肝臓のツボの流れ)の診断点があります。うつ病の方は、この首の中央部が硬いのだと思います。2つの診断点のうちのもう一つの診断点を山元敏勝先生は、脳幹点とおっしゃっています。これは、僧帽筋と胸鎖乳突筋の中間の圧痛点だと思います。
うつっぽい時は、首中央部と鎖骨の奥が硬いようです。