「先生、左肘が痛うて、痛うて・・・病院にいったら、しびれがないんじゃったら、手術せいでええちゅうて、言われたんよ。」
「あらら・・・そうなん。」
「これ見て、腫(は)れとろう?熱もあるんよ。」
「・・・・う〜ん・・あるな。こういう時は、氷水が一番ええんよ。」
日本手ぬぐいを左肘にかけ、氷水を入れたビニール袋で冷やします。
「先生、気持ちええとこと、冷たいとこがあるな。」
「冷たいとこは、やらんでええんよ。気持ちええとこだけ・・・」
「気持ちええとこが、冷たなったわい。」
「そしたら・・・もうせいでええんよ(しなくて良い)・・・簡単じゃろ。これ、毎日自分でやってください。」
「うん、分かった!」
やはり、熱には水が一番です。これは、操体法の師匠、今昭宏先生から習いました。ありがとうございます。元気のある高校生は、これだけで治ったことがあります!
60才代のAさんは、高校生のようにはいきません。左肘を随分気にされているので、左側頭部のIソマトトープ(小さな人型)の肘にあたる個所に1本置鍼。
「どうですか・・・動かすと?」
「あれっ・・・ぷちっちゅうた(ぷちっと音がした)・・・ようなっとる・・・けど、ちょっと残っとる。」
「どこです・・・残っとるのは?」
と、場所を聞きながら、対応する左膝の圧痛点に数カ所を、寸6(長さ50mm)の2番鍼(直径0.18mm)で刺入していきます。
「どうですか?」
「・・・ようなっとる。」
Aさんは、左肘以外に左右の足の甲、左アキレス腱、左肩が痛いそうです。
前々回から、慢性的な疾患のAさんには、後頭部に置鍼をしています。
「頭の後ろ側に刺すのは、どうですか?」
「先生、後ろの方が効く・・・一本一本がズシンと来るんよ。
「そうじゃろ、慢性的な人に聞いてみるんじゃけど、皆んなそう言うんよ。ほじゃけん、今日も後ろに鍼を刺そわい。」
ということで、Aさんと相談の上方針が決まりました・・・・明日に続く。