歯痛に鍼

 

最近は、慢性的な疾患の患者さんを治療することが多くなり、後頭部に刺鍼すること7~8割となっています。そして、その効果を患者さんに聞いてみると、ほぼ100%後頭部の方が効くという答えが返ってきます。

後頭部の刺鍼は、軟骨に鍼を刺すような感じで、抜鍼(ばっしん=はりを抜く) しても血があまり出ません。今日の患者さんから、

「何で後頭部からは、血が出ないんですか?」

と質問されました。

「・・・・・人が四つんばいになっていると、血はお腹とか顔の方に行きますよね・・・後頭部とか背中は、血が少なくなって砂漠化する傾向があると思うんです・・・だから、あまり血が出ないんじゃないですか。」

顔の表情筋は常に動いていますが、スマホなどを見続けるている人達の後頭部の筋肉は、動いていません。こういう人にこそ、後頭部への刺激が必要に思います。

また、後頭部に置鍼したあと、ベッドでうつ伏せで寝るより、イスでゆっくりしたい患者さんが多いので、そのまま世間話をよくします。

「歯が痛くて、昨日は歯医者でクスリをぬってもろうて、治っとたんじゃけど・・・今、また痛いんです。」

「そしたら、鍼しましょう。」

「えええええっ、鍼で治るんですか?」

「はい!」

ということで、痛い左の下奥歯をねらって、眉毛に置鍼。

「どうですか?」

「・・・・痛くないです・・・・速攻性があるんじゃ・・・思ってもみんかった。」

「切ったり貼ったり(整形外科)以外は、何でもできます・・・ですから、痛いところがあれば、遠慮なく言ってください。」

こういう会話を続けながら、少しづつ鍼治療に理解をしめしてもらおうと思います。