鍼が体質的に合わないので、鍼を使わない鍼治療をしている60才代の女性患者Aさん。今回は、右膝が痛いそうです。他の鍼治療の患者さんと同じように、合谷診、上腕診、首診をします。
合谷診は、左右の親指と人差し指の間にある合谷(ごうこく)というツボを押圧し、どちらが痛いかをチェックします。痛い側から治療を行います。
上腕診は、肘内側の横紋周辺は、頸椎、胸椎、腰椎、大脳、脳幹、小脳の状態が現れています。押圧し、圧痛点があると、その点に対応する頭の治療点に置鍼し、圧痛点を取ります。これが治療です。
首診は、首側面にある腎、膀胱、肝、胆、心包(心臓の周辺)、心、大腸、三焦(消化器)、胃、脾、小腸、肺の診断点を押圧し、圧痛点があれば側頭部の治療点に置鍼し、首の圧痛点を取ります。上腕診と同じく、これが治療となります。
Aさんの場合は、合谷診、上腕診、首診をしますが、その後はベッドで仰向けになってもらいます。
上腕診での圧痛点に対応する後頭部の治療点に、指や手の平を軽く置き治療します。これは、頸椎、胸椎、腰椎、大脳、脳幹、小脳の治療ですから自律神経を整えることになります。仰向けになったAさんの後頭部に触れてすぐ、
「あの~、右の首に張りが出てきました。」
「・・・・これは・・・・胃ですね・・・ここ辺りに痛いところありますか?」
「そこ、痛いです。」
胃に対応する治療点に軽く指を置き、4~5分。
「今、どうですか?」
「ゆるみました。」
次に、首診(腎、膀胱、肝、胆、心包(心臓の周辺)、心、大腸、三焦(消化器)、胃、脾、小腸、肺)の圧痛点に対応する治療点に、左手の平と指を置きます。
「腰がズーンとしています・・・・腸がうごいています。」
「今、腎、膀胱と消化器系に触れているので、腸が動くのでしょうね。」
しばらくして、右膝痛の治療点(右耳のウラ)に右手の中指を置きます。5~6分経って、
「腰が軽くなりました。」
これで、終了。あとは30分ゆっくり休んでもらい、治療を終わるはずでしたが、
「先生、まだ右膝が歩くと痛いです。」
そこで、右耳ウラにパイオネックス。
「どうですか?」
「・・・・・・・・・・痛く・・・・ないです????」
で終了。