待合室の本紹介(その3)

本を手元にあまり持っていない私ですが、『あの本は持っていたかも・・・・』っと探していたら、見つかりました。

「木を植えよ!」宮脇昭著(新潮選書)

この本を手にして驚いたのは、最後まで重要な個所にグリーンの蛍光色ラインが引かれている事。もっと驚いたのは、それをサッパリ覚えていない事!情けない限りです。

再び読み始め、我が意を得た個所があるので、引用します。

現在、日本人の92%以上は照葉樹林域に暮らしています。そうした地域には、土地本来の樹種である高木のシイノキ、タブノキ、カシ類を中心に、防災機能を果たす森を積極的に作っていくべきです。高木を支える亜高木として、ヤブツバキ、モチノキ、しろだも、ヤマモモ、カクレミノなどを、混植・密植します。

(中略)

照葉樹を護岸林とすれば、鉄筋やコンクリート以上に、時間とともに、より確実に斜面や堤防を保全する役割を果たします。植物の根は一見弱そうに見えますが、シイノキ、タブノキ、カシ類の並木道を舗装すると、根がコンクリートを持ち上げることがあるほど、底力があります。「柔よく剛を制す」といわれますが、強度においてはむしろ、コンクリートや鉄筋よりも木の根の方が強いでしょう。

(中略)

根本的、長期的な災害対策としては、河川堤防の斜面などに土地本来の照葉樹林形成をめざして植林していくべきです。また、そうした森は、夏の温度上昇を抑え、強風を緩和し、大気や水質の浄化の役目もある程度果たします。景観が、人の心を穏やかにさせるのは言うまでもありません。

これを、めざしましょう!