前々回の治療で、右首と肩の境目あたりの圧痛点を軽く押すと、右腹部を押さえて「痛い!!」
と絶叫した30才代の女性患者Bさん。体調は良くなったのですが、2日前に左肩を脱臼(だっきゅう)してしまいました。Bさんは、脱臼癖があるようで、外れたら自分で入れることも出来るそうです。今回も、直ぐに入れたのですが、痛みは残っています。
「そしたら、今日は左肩が一番気になるのですね・・・・」
「はい、そうです。」
と、確認して、いつものように合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診(肘内側の横紋付近の触診)、首診をします。
合谷診:左に圧痛点・・・・左側から治療。
上腕診
左:胸椎(1)、腰椎(1)、小脳(0)
右:頸椎(0)、胸椎(1)、腰椎(1)、脳幹(0)、大脳(0)、小脳(0)
まず左の肘周辺で一番痛い個所を確認します。すると、胸椎の診断点でした。左眉の圧痛点が胸椎の治療点。最近では、ゆっくりと鍼(はり)を刺入し、しばらく(2分間程度)鍼を保持するようにしています。このやり方は、他の診断点にも影響を与えて、上手くいくと、1本の鍼で全ての診断点から圧痛点が無くなることもあります。
( )内が置鍼の数。(0)は、他の置鍼で圧痛点が無くなったことを意味します。
首診
左:腎(1)、膀胱(1)、心(0)、胃(0)、脾(0)
右:腎(1)、膀胱(1)、心(0)、胃(0)、小腸(0)
首診断点の圧痛が4本の置鍼で無くなりました。
感覚が鋭いBさんが、
「先生、急にここ(右側頭部)がチクチク痛くなったんですけど・・・・」
「・・・・うん・・・そしたら、そこに鍼刺しましょう・・・・どうですか?」
「・・・・いいみたいです・・・良くなりました。」
「そりゃ、良かった。で、これから左肩ですね!・・・・・ここ痛くないですか?」
「痛い!!!!!!」
「・・・・・・・(オデコにある肩のツボ・B点に置鍼)・・・・今、肩どうですか?」今、肩どうですか?」
「・・・・・いいです・・・・痛くない。」
「良かった!そしたら、これで終わりです・・・・ゆっくりしてください。」
「先生、この間、夢で山元先生が私を治して下さったんです。」
「えっっっ!何それ?」
「突然、山元先生が現れて、『それは、私が治しましょう。』ておっしゃって、私のオデコに4~5本鍼を刺してくれたんです・・・そしたら、目が覚めて朝になってたんです・・・不思議でした・・・・そして、それから調子が良いんです!」
「えっっっっ凄いな~、先生のイメージは、本の表紙の笑った顔ですか?」
「いいえ違います。以前先生が見せてくれたヴィデオのブラジル女性で右手、右足が全く動かなかったのが、治って歩いて帰った・・・・あの時の山元先生です。」
「なるほど、なるほど・・」
それにしても、夢で治せる山元先生は、凄すぎます。