鍼より操体法の方があっているという70才代の男性患者Cさんの続報です。Cさんは、20年ほど前に1mの段差のところで転んで以来、両膝痛に悩み、10ヶ月前から毎週来院されています。現在は、農業に従事され、かなり無理をして働いても大丈夫になってきました。
「操体法のいいところは、気持ちが良いのと、自分で出来るということですね。」
と常々おっしゃいます。Cさんはご自身で肩コリを感じたら、オデコの治療点(B点)に軽く指を当てご自身で治療されています。膝に違和感を感じたら、同側の肘を刺激したり、指を当てて違和感を取っています。さて、本日の主訴は、やはり両膝痛です。
早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)では、左右どちらも飛び上がる程の圧痛があります。ということは、左右どちらから始めてもいいのでしょう。
膝診(膝窩横紋周辺の触診)
左:胸椎(#4、#7、#12)、腰椎、脳幹、大脳
右:胸椎(#9)、腰椎、脳幹
上記の診断点に圧痛がありました。胸椎の#は、胸椎1番~12番の位置です。膝窩横紋の内側が1番で外側が12番です。今回は、Cさんに動いてもらう操法ではなく、最近拘(こだわ)っている足首の圧痛点への刺激です。やや強めから、爪で優しくさする感じの刺激をたっぷり15分ほどすると、膝診が下記の通りとなりました。
膝診(膝窩横紋周辺の触診)
左:胸椎(#12)、大脳
右:腰椎
右腰椎の診断点が1番痛いので、右肘内側の圧痛点に指先を軽く添える操法を5分。これで、3カ所の圧痛点がなくなりました。Cさんには、ベッドに移動してもらい足揉み操法を15分して、後はゆっくり寝ていただきました、おしまい。