右腕が上がらない

「先生、朝起きたら、右肩が上がらないんです・・・・今日、(治療の)時間空いてます?」

「午後の3時、空いてますよ。」

ということで、来院されたのは80才代の女性患者Bさん。毎週通院されているBさん、いつもは明るい笑顔で来られるのですが、今回は元気がありません。

「先生、これだけしか上がらないんです・・・・ここ(上腕)が痛くて・・・」

右腕が角度にして10°位しか上がりません。そこで早速、足の合谷診(第一中足骨と第二中足骨の間の触診)から始めます。

足の合谷診:右(右側から始めます)

膝診(膝窩横紋周辺の触診)

左:頸椎、胸椎←チェック、治療せず

右:腰椎(1)、大脳(1)、小脳(1)

右耳の前側圧痛点に1本、オデコ中央部生え際に2本置鍼。

(  )内は、診断点の圧痛が無くなった時の置鍼の数を示しています。

「これで、右腕はどれだけ上がりますか?」

「・・・・・これくらい(50°位) ・・・ここ(上腕)が痛い。」

少し改善されましたが、本人は全く治っていないと思っているはずです。次に、右側頭部のIソマトトープ(小さな人型の投影)の上腕に対応する点に2本置鍼。

「今度は、どうですか?」

「・・・・上がり・・ます。でも痛い。」

右腕は、120°くらい上がることが出来ました。次にC点(ヤンキーがすりこみを入れる付近)に置鍼3本。

「先生、1日では無理でしょう?」

「いいや、そんなことないよ・・・・即効性あるよ・・・今度はどうですか?」

「・・・・・あっあ、腕は上がる。けど、下げる時、痛い。」

普通に痛みなく上がりますが、下す時、途中で痛み肩から上腕にかけて痛みが走るようです。そこで、Jソマトトープ、Kソマトトープの右上腕に当たる点に2本置鍼。

「これで、どうですか?」

「・・・・・・上げるのは大丈夫・・・下げるのは・・大丈夫!」

「今日は、これでいいでしょう・・・多分、また少し元に戻ると思いますけど・・・徐々に良くなるでしょう・・・・今度来るのは、火曜日(3日後)・・・丁度、いい感じですね。」

Bさんの次回経過報告が楽しみです。