いきなり圧痛操法

 

2週間に1度のペースで通院されている60才代の男性患者Bさん。昨日までは、腰痛が主訴だと決めていたのですが、今朝起きると左首から左肩にかけて、寝違えたような痛みが走り大変そうです。そこで、今回の主訴は首痛に変更。本来なら合谷診(人差し指と親指の間の触診)、上腕診から始める治療を、いきなり足に見つけた治療点の押圧(爪をたてるので、痛いです)から始めました。

「痛たっっっっっ!」

Bさん、イスに座ったまま悶絶、絶叫。3カ所見つけているのですが、3カ所とも同じ様に痛みがあります。途中、硬式ボールを使って軽く押圧しながら、約5分間施術しました。

「これで、どうですか?」

「・・・・だいぶ良い・・・痛みはほとんど無くなった・・・・まだ、ここ(首の根本あたり)にコリがあるけど。」

70~80%くらい痛みとコリが取れた感じです。痛みが伴う治療ですが、早く痛みを取るには、この様な方法もありだと考えます。これは操体法の圧痛操法という技にもなります。圧痛点を押圧する事で無意識の動きを誘導して、歪みを取るのです。今回は、その動きプラス、治療点の押圧ですので、かなり強力だと思います。この状態から従来の方法で診断、治療を行いました。

合谷診:(人差し指と親指の間の触診)左(左側を診断)

上腕診:頸椎(0)

膝診:頸椎#2、#3(2)

胸椎#1、#7(2)

腰椎#5、#6(2)

首診:左:肝(1)、胆(1)、心(0)、脾(1)、

右:心(0)

(  )内は置鍼の数。

上記の治療で首の可動域も増えてきました。念のため、オデコのB点、C点に置鍼して終了となりました。Bさんに指導した硬球操体法について、

「硬球使うのええね!あれは効く・・・・友達にあげるんで、もう一個買おうわい。」

と気に入ってもらっています。30分置鍼している間、硬球を使ったセルフケアの方法をお教えしたのでお家で試してもらいます。高校、大学と野球をしていた男が、治療家になって硬球でセルフケア・・・・神様のお導きかも知れません。