2週間前、80才代の女性患者Aさんは、道端の穴に、つまずき右足親指根元(基節骨)に亀裂骨折をしてしまいました。左右の親指を比べると右の親指の方がやや紫色で腫れもあります。毎週車を運転して来院されていたのですが、「1ヶ月間は運転禁止」と、医師から言われました。そのため、今回はご近所の友人の車に乗せてもらって来院されました。ご近所の友人Bさんも、当院には毎週来られているので、待合室兼治療室で3人和(なご)やかに会話がはずみました。
合谷診:人差し指と親指の間の触診は左に圧痛点、そのため左側の上腕診、膝診を行います
上腕診:頸椎(0)、腰椎(0)、脳幹(1)
膝診:頸椎#7、#6、#5、#4、#3、#2(2)、腰椎#1(1)、大脳(1)
首診:左じん(0)、左胆1)、心包(0)、心(0)
( )内は置鍼の数。
右足のIソマトトープ(小さな人型の投影)の足先に当たる治療点(右側頭部)に1本置鍼した後、足に見つけた治療点を押圧して、3カ所パイオネックス(皮内鍼)を貼りました。この3カ所は、一辺5~6mmの正三角形になっています。パイオネックスを置鍼するだけでもいいのですが、そこに軽く中指を当てるともっと効果的な治療になります。
「Aさん、右足親指の色が良くなっていませか?」
「・・・あれ?そういえば・・・そんな気がする・・・・それより先生、電気がピリピリ来て痛い!・・・先生、ちょっとやめて!」
「Aさん、きっと良くなっているのよ!」(Bさんの弁)
「先生、親指だけじゃなくて、後の3本までピリピリきた・・・・そして、膝まで走った。」
「それでかな・・・やっぱり、色良くなっていません?」
「なってる、なってる・・・・左足よりいいんじゃなの。」(Bさんの弁)
「先生、面白いね~」
「ねえ~・・・・Aさん、これご自分でもやってくださいね・・・・血流が良くなって、治りが早くなるはずだから。」
などと、話しながら、発芽玄米の作り方から、発酵ご飯の作り方、11月7日のコンサートの話と多岐にわたって話しているうちにいつの間にか治療終了となりました。