「これは、全く個人的な考え方なんですが、受精卵から人間のカラダを形成する発生学的な過程で最終形態の人型をイメージするのではないか・・・・と思うのです。そのため、随所に人型のイメージが相似形で現れてくるのではないか・・・と思うのです。山元先生(山元式新頭鍼療法の創始者)は、それを頭に見つけ治療点とされました。ですから、まだまだこの相似形がカラダの随所にあるはずです。」
と、患者さんに説明します。これを、フラクタルという現象と考えてもいいと思います。葛飾北斎の富嶽三十六景の大波がリアルな描写になっているのは、波の先端に相似形の波を描いているからです。葛飾北斎は波をじっくり観察して、フラクタル現象を見出し絵にしていったのです。人間の存在を含めた宇宙の現象にはこのフラクタルが存在しているようです。下記にフラクタルの説明を抜粋しておきます。
『フラクタルの具体的な例としては、海岸線の形などが挙げられる。一般的な図形は複雑に入り組んだ形状をしていても、拡大するに従ってその細部は変化が少なくなり、滑らかな形状になっていく。これに対して海岸線は、どれだけ拡大しても同じように複雑に入り組んだ形状が現れる。
そして海岸線の長さを測ろうとする場合、より小さい物差しで測れば測るほど大きな物差しでは無視されていた微細な凹凸が測定されるようになり、その測定値は長くなっていく。したがって、このような図形の長さは無限大であると考えられる。これは、実際問題としては分子の大きさ程度よりも小さい物差しを用いることは不可能だが、理論的な極限としては測定値が無限大になるということである。つまり、無限の精度を要求されれば測り終えることはないということである(海岸線のパラドックス)。』