私は鍼灸師ですが、国家資格として「はり師」と「きゅう師」の2つを持っています。ところが、はりときゅうの使い分けをあまり考えていませんでした。そこで、ヒントになる文献に当たったので、掲載します。
『 では、お灸と鍼はどうやって使い分けていると思いますか?
お灸は血の流れを良くし、鍼は気の乱れを調整する医術として発生したと古来より考えられています。東洋医学の専門家は血と気の言葉の背景にある意味がわかりますからこの説明が一番簡潔なのですが、それ以外の方には良くわからないと思いますので、私なりの簡単な言葉での解釈を付け加えます。
ヒトは体の調子が崩れてきたとき元に戻りたいという現象として「症状」が表れます。この時はまだ体力があります。鍼治療で大丈夫です。
身体を休めずに同じ生活を続けると体内で熱を作る力が衰え冷えを受けやすい状態になります。灸治療が必要です。
体力のある病気の人に対しては鍼治療単独で緩解しますが、体力を消耗し身体が冷えを感じている人や長期間患っている病気の人は、灸治療が必要だという事です。体調が少しくずれた患者からガン患者まで鍼灸治療が幅広く適応なのはこんな理由からです。』
と半年前に書いていて、それっきり書いていない文章を見つけました。もうすっかり忘れていました・・・・・ただ、最近は、頭に置鍼した後、足にお灸をすえるパターンが多いことに気がつきました。お灸に使うモグサの減り具合が顕著です。しかも、紫雲膏をたっぷり盛って大きめの艾炷(がいしゅ)を乗せて火をつけるのですが、患者さんは熱さを感じることなく、カラダは反応するという現象が起こります。
患者さんは、「なぜ?」とした顔をみせるのですが・・・・私自身も説明する事ができず、「何でじゃろ?よう分からんのです。」
と答えるのですが・・・それだけでは、申し訳ないので、
「皮膚付近は40°C位になって、いい状態になってるし、多分紫雲膏の成分も染み込んで効果が出ているんだと思います。」
と言い訳程度にしゃべる事もあります。そんな昨今、鍼からお灸に移行しつつ、鍼治療も極めようとしています・・・・マノスへ(自然の摂理にかなう)の姿勢で!