40才代の女性患者Bさん、月に2回来院されています。今回は頭痛、脇下の痛み、腰痛。そこで、大沼理論によるカラダの歪みチェック。畳部屋で仰向けになってもらいます。大沼理論の通り右脚が2cmほど縮んでいます。第1腰椎の左から仙骨の右にかけて腸管膜根という組織がありそこから7mもある小腸がクネクネと骨盤に収まっています。なんらかのストレスが加わると、その腸管膜根が、縮み右側の骨盤が上に上がります。これを「上前方変位」といいます。そのため、右脚が短くなります。
Bさんに操体法の左のカカトを踏み込む操法をおこなうのですが、中々元に戻りません。よほどのストレスがあるに違いないと思い、足の指を丁寧にもむ操法を20分行いました・・・・それでも、まだ右脚が縮んだままです。ただ、カラダ全体が緩んだのは分かります。そこで左を下にして横向きになってもらい、右股関節を弓のようにそらして軽く膝蹴りをするような操法を2回。これでやっと、左右の脚がそろいました。
「患者さんの9割は、右脚が縮んでいるんです。」
とBさんに腸管膜根の話をし始め、
「ストレスとかありますか?」と尋ねると、
「職場で、一人正論を言うのだけれども、あまりにも高圧な態度の人がいて・・・すごいストレスなんです。」
「うん・・・・やっぱりそうですか・・・寝る時の姿勢は、どうですか?」
「左を下にして横向きで寝ます。」
「やっぱりそうですか・・・右骨盤がうっ血しやすいので、どうしても左を下にして寝てしまうんです・・・・そうすると、左の鎖骨が圧迫されて、左鎖骨下動脈という大切な動脈が詰まって、血流が悪くなるのです。」
「・・・・それで、足の指がガチガチなのかもしれない・・・・」
Bさん、大沼理論をカラダを通して理解されているようです。理論を理解されると、スッキリするもので、頭痛、脇下の痛み、腰痛がいつの間にかなくなっていました。今日は、鍼を打つ事なく治療終了となりました。