生理学の教科書

私が東京医療専門学校(呉竹学園)に通っていた時の生理学の教科書の血液に関する個所を写真にしました。やたらと難しいので赤線を引きまくっています。これを、医療関係の学生は丸暗記させられるのです。

まず、赤血球の説明です。「赤血球は核を失った細胞である。」から始まります。つまり、骨髄の幹細胞から盛んに分裂して最終的に核を失ったものとして習います。この教科書(生理学:社団法人 東洋療法学校協会 編)のp16では、(5)新生と寿命というサブタイトルがあり、

「赤血球は主に骨髄で産生される。骨髄には幹細胞と呼ばれる未分化の細胞があり、盛んに分裂して、そのなかのある細胞が前赤芽球になり、赤芽球を経て、最終的に正常な赤血球に成熟する。この過程で核は消失する。成熟した赤血球は骨髄から血中に出る。分化と成熟の過程を赤血球の新生という。」

成熟した赤血球が骨髄から出て、これを赤血球の新生という!なんという矛盾。成熟したということは、一番古い細胞であるといっています。その古い細胞が血中に出ると新生と呼ばれるそうです。これは、言葉によるごまかしです。何故こんな言葉を使うのか・・・・それは、体細胞には細胞膜、細胞質、核があり核分裂をして増殖すると習っているからです。つまり、核分裂できない赤血球(核がないから)は、理論的に成熟して核を失った細胞と考えられているのです。

そこで、東京大学医科学研究所の2013年の論文の一節を読んで驚きました。

「従来の血液学の学説では、この自己複製能力は造血幹細胞の特徴的な能力で、その造血幹細胞が自己複製能力を失い、徐々に赤血球・血小板・白血球等の成熟血液細胞を産生すると考えられてきました。しかしながらこれまでの研究では顆粒球やリンパ球の解析が中心で、核を持たない赤血球や血小板については顆粒球やリンパ球と同時に体内で解析したものではなく、従来の学説は必ずしも実験的に証明されているものではありませんでした。」

最後の一文です。「従来の学説は必ずしも実験的に証明されているものではありませんでした。」

1866年に発表された骨髄造血説が2013年まで、実験的に証明されていなかった!今まで、何していたのでしょう?

再び、生理学の教科書に戻ります。p15、赤血球の形状と数

「赤血球は直径約7~8μm、厚さ約1~2μm・・・(中略)・・・赤血球は1μLの血液中に成人男子で約500万個、女子で約450万個存在する」とあります。ものすごい個数です。ところが、人間も含めて動物の骨髄組織は、重量的に見ると約95%が手足の長管骨にあり、長管骨に出入りする血管と言うのは、針の孔が1カ所だけぽつんと空いており細い血管が1本通っているだけです。この細い血管からものすごい個数の赤血球を送ることが、可能でしょうか?

私が、学生(東京医療専門学校)の頃、血液は小腸で出来るという千島学説を勉強していたので、この血液の授業中は、イライラの連続でした。今改めて患者さんに接して、西洋医学の限界をつくづく感じます。血液は、食べたものが細かいモネラというものになり、小腸で赤血球となり門脈を通って肝臓へ行き、カラダ中を巡り体細胞へと変化していくのです。

食べた物が血となり、肉となるのです。