「あら?早く来ちゃった・・・タクシーに電話して、小型をお願いしますって言ったら、今すぐ行きますってなって・・・早く来たんです。」

最近、運動免許を返上した80才代の女性患者Aさん、予定より40分早く来られました。

「先生、事務やっててちょうだい・・・・私、畳の上でゆっくりしていいですか?」

鍼灸院の中央部に215cm×140cm×40cmの畳部屋があり、障子2枚で仕切りを作った空間になっています。引き出しがあって、鍼の在庫、クッション入れとなっており大変便利です。畳部屋というより、畳ベッド障子付きというのが正確な表現でしょう。私は疲れると、この畳の上でゆっくりと操体法をしながら、カラダほぐしをします。Aさんも畳の上でゆっくりするのが大好きです。

「・・・・気持ちいい、家にも畳あるけど、横になってから起き上がるのが、大変なの・・・ここだと、段差があるので無理なく、よっこらしょっと起き上がることが出来るでしょ・・・いいね、これは。」

確かにAさんは、ちょっと小太りで、しかも右膝が人工関節のため、起き上がるのに不自由です。そんな患者さんには、非常に便利な空間となっています。これは、私が何となく思いついて、偶然出来たものですが、多くの患者さんに喜ばれています。

「Aさん、そしたらゆっくりしてくださいね・・・・私は、チョットお仕事しますね。」

Aさんは、毎週通われてもう3年目、気心が知れているのでお互い遠慮なくやれます。今日は「食べる煮干し」「からし菜漬け」「家庭菜園のピーマン」のお土産をいただきました。

「先生、ここの空間はいいね・・・・狭すぎず、広すぎず・・・木に囲まれているし、落ち着きます。」

確かに結構いい空間になりました。床、壁、天井を松、杉の天然素材にしたため、時間が経つほど味わい深くなるのがよいです。ただ、失敗は、玄関。バリアフリーにしたまでは良かったのですが、2重ドアにすべきでした。防寒、防熱、防音になりより快適になったと思います。万が一2号店が出せるほど繁盛したら(夢のまた夢)、その時は絶対に2重ドア!

今回のように、患者さんが仰向けになる時、天井が視野に入ってきます。京都にいらっしゃる患者さんからのアドバイスで、出来るだけ節の多い杉材を天井に使う様にしたのです。

「先生、天井だけは、しっかり考えて・・・・患者さんが飽きない天井にしてね!」

素晴らしいアドバイスをいただき、実行したならば、先日ある患者さんから、

「先生、この天井は節目がいっぱいあって飽きんし、死んだ節が一個もないのが、凄いわい。普通じゃったら何個かあるはずじゃけど、よう手入れをした山の樹じゃわい。」

とお言葉をいただきました。ありがとうございます♪