操体法だけの治療

「今日は、操体法で行きましょうか?」

と、70才代の女性患者Aさんとの会話中に、当たり前のような言葉として出てきました。Aさんも納得した表情でニッコリ。Aさんには、山元式新頭鍼療法(YNSA)、足へのお灸、操体法の3つの施術から選択する様にしています。それぞれに良い反応があるので、その日のAさんの心身の状態を伺いながら決めるようにしています。頭が重く、肩こりで肩が痛いそうです。奥にあるベッドに移動してもらい、指先を丁寧にもんでいく操法を行うと、

「ここ(腰)から下が、温くなってきた。」

「頭どうですか?」

「ちょっと、軽くなってきよる。」

今度は、足首内側の三陰交に軽く中指を当て、反対の手の平を軽く土踏まずに当てます。

「・・・・これは、効いとる・・・・・肩が軽なってきよる。」

途中、Aさんが咳き込むため、頭頂部の舌咽神経と肺に効く治療点に1本置鍼。それ以降、咳き込むことはありませんでした。この治療点は、実によく効きます。

「頭の重さがなくなってきた・・・後は、膝あたりが重い。」

最近は、デルマトーム(皮膚分節)で治療点を見つけているので、膝のデルマトームは腰椎4番となります。この治療点は耳付近にあります。軽く中指を当てるだけの操法を行います。

「目をつぶっとるのに、急に目の前が明るくなった。」

「・・・・そういう事、よくあるんです・・・面白いでしょ。」

「面白いね~・・・・今度は、重いのが膝から、足首に移ってきた。」

しばらくして、重さがなくなり終了となりました。鍼灸治療をやる以前には、このような治療を行なっていたのですが、当時と違う点は、知識量です。デルマトームなどと全く縁のない治療をやっていたのですから、今思うとぞっとします。操体法でも進化していきたいと思います。