操体法だけの治療 その2

月に一度、体調管理で通院されている70才代の男性患者Cさん、両膝に痛みを感じるときがあります。まず、足指を丁寧に揉みほぐします。その後、

「私が、足元にいるこの感じと・・・・・頭の上にいる感じは、どちらがいいですか?」

「・・足元の方です。」

患者さんのカラダは素直に、私の熱量を感じとって反応してくれます。そこで足元に戻り、Cさんの左親指に軽く指をそえ、右手の平を膝ウラにあてるだけの操法を始めます。

「両肘が重くなってきました・・・やっぱり、肘と膝はつながっているんですね。」

そこで、Cさんの膝ウラにあてがっている右手の平を外しました。

「・・・これで、どうですか?」

「・・・・・少しずつ、肘の重みが少なくなっています。」

ある程度、落ち着いて来たので今度は、私の立つ位置を確認することにしました。

「私が、足元にいるこの感じと・・・・・頭の上にいる感じは、どちらがいいですか?」

「今度は、頭の方がいいです。」

そこで、頭の方に移動して、両手で水をすくうような体勢でCさんの後頭部をささえます。しばらくして、

「指先がジンジンしてきて、血流を感じます・・・・肘の重さはなくなって来ました。」

の言葉の後、熟睡されました。今後ともCさんには操体法の治療を進めたいと思っています。