どうもない

 

90才代の男性患者Aさん、9ヶ月前は両脚が硬直して痛く50m位しか歩けませんでしたが、週1回の治療を続け、最近は週2回に増やしています。そのせいで、今は膝の痛みはありません。しかし、左右の感覚の違いはあるそうです・・・ただし、この感覚は膝が痛くなる前からもあったそうです。

合谷診:左(左の膝診を行います)

膝診:左頸椎#1~4(1)、左胸椎#6~12(1)、左脳幹(0)、左大脳(1)

首診:左大腸(0)、左三焦(2回押圧、1回お灸)、左脾(0)

:右三焦(1回押圧) 

(  )内は置鍼数

膝診で圧痛を感じたところの治療点(頭)に3本置鍼し、頭から脊柱までの中枢神経を整えることで、自律神経を整えます。次に足に見つけた治療点に、てい鍼という銀棒で押圧します。この押圧は、非常に痛いものです。私の推測では、この痛みで脳は危機感を感じ、βエンドルフィンを出すのだと思います。この神経伝達物質は、脳内モルヒネとも呼ばれ患部まで運ばれ、痛みをとるのです。治療点に、お灸をしてもう少し整える感じで治療をしています。Aさんは、てい鍼による押圧が苦手だそうですが、危機感を脳が感じることの大切さを説明して、押圧の一瞬で首の圧痛がなくなるのを体感してもらっています。

「本当じゃ、どうもない・・・・だまされたようじゃなあ・・もう、左右の感覚が、同じになっとる・・・不思議なもんじゃ。」

90才以上になられても、1時間ごとの軽い体操や、ゴムバンドの足巻き(血流を良くするため)を欠かさずやっておられるので、四股のようなポーズが取れるようになったと喜んでおられます。素晴らしい生き方をされておられます。