積み木療法

(私の師匠・加藤直哉先生がよしりんと対談されています)

当院で治療している間は、お腹の痛みがなくなるのですが、お家に帰るとお腹の痛みが再発するという80才代の女性患者Bさん。ところが、楽しい作業をしている間は、お腹の痛みはありません。Bさんにとっての楽しい作業は牛乳パックを小物入れに作り変えることです。まず、カッターナイフで牛乳パックを切って原型を作り、きれいな千代紙を貼って完成。単純そうな作業ですが、段取りを考え、きれいに仕上げるにはかなり頭を使います。ちょうど、Bさんにとってやりがいになる作業なのです。もちろん、その時にはお腹の痛みを感じることはありません。ところが、毎日牛乳パックを手に入れることはできません。

 

「牛乳パックがないと、作業できないんですね・・・・・それは、困った・・・・そしたら、積み木で遊んでみませんか?」

昨年6月に、日仏文化交流展に参加し、萬翠荘(ばんすいそう)というところで積み木作品を出品。その時に使った積み木がたくさんあるので、小さな積み木を治療室に持ってきました。そこで、ある程度積み上げて、Bさんに1個手渡すと、ちゅうちょなく積み上げてくれました。

「面白い!」

子どものような笑顔を見た時、「これは、いける!」と感じました。そこでいつものように治療を始め、5本置鍼してあとは、ベッドでゆっくり30分過ごしていただきました。付き添いの娘さんには、私が30才の時、精神科の病院で芸術療法家として働き、積み木を芸術療法に取り入れていたことの説明をしました。また、使用しているクスノキは、「元々クスリの木が語源の触れてもエネルギーをもらえる木ですから、大丈夫です。」と納得していただき、2袋に分けて差し上げることにしました。

Bさんのひ孫さんが、4才と2才。一緒に遊べるといいのですが・・・・次回、そのようすを伺うつもりです。