本日初来院の50才代の女性患者Aさん、お母様と一緒に来られました。最初にAさんの治療をし、頭に置鍼したままで、30分以上待合室で休憩してもらいます。当院は、待合室が治療室も兼ねているので、お母様の治療をAさんは当然見ることができます。お母様は今回で七回目の治療なので、私の実家が「あじさいの杜神社」であることをご存知でした。
「私の父親が、山あじさいが好きで神社を山あじさいの杜にしようとしたのですが、亡くなってしまい、今は弟夫婦がその意志をついで立派に育てています。」
「ええよく知っています。娘はK中学校出身だったので・・・・校長先生されておられたでしょう?」
「親父の最後の学校がK中学校でした・・・・じゃあ、知ってるんだ親父を!・・・・親父とボク、似ている?」
「・・・・ここ(Aさんが目元を指で示して)」
「そうか、目元が似とるか・・・・」
そして、Aさんがある出来事を話してくれました。
「近所に住んでいるお婆さんが、行方不明になったことがあったんです。その時、校長先生が校内放送で、『いつもは、寄り道をしないで帰ってくださいと言っているのですが、今日だけは、2人以上で思い切って寄り道をしながら帰ってください。1人ではなくて必ず2人以上で寄り道をしてください。』と話してくれました。」
「なるほど・・・・」
「そしたら、その日に3人組の生徒が側溝にハマって動けなくなっていたお婆さんを見つけたんです!」
「それは、すごい話だ・・・ええ話だ!」
と思わず父親を思い浮かべて目頭が熱くなりました。この文章を書き終えたら、親父の写真にこの話をしてあげようと思います。