先日、中学高校の総合体育大会が愛媛県で行われました。そこで、他県からの患者さんに出会うことが出来ました。
「先生、中学校のバレー部の男子選手が、捻挫しまして・・・・明日の試合があるので、よろしくお願いします・・・2名伺います。」
と、バレーの関係者の方から電話がありました。親御さん3名と男子選手2名が来院され、待合室兼治療室に座っていただき、早速治療にかかりました。5名は、関西方面から来られ頭に鍼をすることは、分かっておられましたが、お顔には、「半信半疑」という文字が浮かび上がっていました。
「頭に鍼を刺すというのは・・・・ご存知ですよね・・・・ですから、非常に安全なんです。患部に直接刺さないので、悪化することはありません。また、頭蓋骨に守られているので、もちろん脳に刺すことはありません。頭蓋骨の上にある頭皮に深さ1mm程度刺すだけですから。」
と、安全性を強調して安心していただきますが、浮かび上がった「半信半疑」の文字は、一向に消えていません。こうなったら、さっさと治療をするしかありません。そこで、上腕診に替わる膝診で胸椎の状態を診断します。膝ウラの圧痛硬結点を眉の上にあるE治療点に刺鍼、すると一瞬で膝ウラが柔らかくなります。
「ええええ!ウソ・・・・・・」
これで、患者さんは信用してくれますが、親御さんは?????
早めに膝ウラの圧痛硬結点全てを緩め、右足首内側捻挫の治療をすることにします。患者さんにデルマトーム(皮膚分節)を見てもらい、患部の右足首内側に当たるところが、L4(腰椎4番)の治療点になります。そこで、L4の治療点に置鍼。
「これで、どう?」
「・・・・・あれ、痛ない・・・・・・ホンマやて!」
「ホンマ???」
やっと親御さんから声が出て来ました。こうなれば、こちらの土俵で治療が進みます。その後は、右下肢治療に対応する治療点に置鍼をして終了・・・・と思いきや、
「あの~、右肩も前から痛いんですけど!」
「うん・・・そうなん、そしたら、やろか!」
右オデコにあるC点の肩甲骨治療点に置鍼。
「これで、どう?」
「・・・・痛ない・・・大丈夫です。」
「ホンマ?」
「ホンマやて!」
どうやら、これで親御さんも信じてくださったようです。良かった良かった!