皮膚病

 

石原医学大全の皮膚病に関する一節です。私には、腑に落ちます。いかがでしょうか?

『「皮膚病の三ナイを知っているかね。皮膚病はね、“わからナイ”“治らナイ”“死なナイ”というんだよ」

私の医学部時代の皮膚科の授業での教授の言葉だ。発せられたのは皮膚科医生活40年、ベテラン教授で、皮膚病治療の難しさを身に染みて感じておられたのだろう。

確かに西洋医学とって皮膚病は難しい病気が多い。皮膚の発疹(ほっしん)にも蕁麻疹(じんましん)、湿疹、アトピー、乾癬(かんせん)、化膿疹などがある。まず、発疹を抑えるためのステライステロイド剤や抗ヒスタミン剤で治療する。

ただ、一時的に改善が見られても、また別の場所に症状が出現することも少なくなく、出たり、引っ込んだりを繰り返すうちに、薬が効かなくなったりとわからない。、“わからナイ”“治らナイ”“死なナイ”にはまり込んでしまうことも少なくない。一方、漢方医学では皮膚病は血液の汚れが皮膚を通して排泄されている状態とみなす。西洋医学では治療対象となる発疹などを、漢方医学では大小便と同じ排泄作業と捉えており、発疹などを抑えるべきとは考えず、むしろ排泄を促してやる治療をする。そこが西洋医学との大きな違いだ。

以前、私が運営する伊豆のサナトリウムに、九州の大病院で内科の医長を勤めている医師がアトピーを改善するために、1週間ほど滞在されたことがある。西洋医学の医師として複雑な思いもお持ちだったろうが、長年の薬物治療に疲れ果てた結果の選択だったようだ。

ジュース断食をスタートすると、悪臭のする黄色い汁が皮膚から吹き出し、それが乾燥し、かさぶたを作り、一時は気の毒なほど醜悪な皮膚になったが、最終的には改善してご帰宅された。「吸収は排泄を阻害する」、”逆もまだ真なり”で「吸収(食事)しなければ排泄が活発になる」の通り、断食によって吸収をストップした結果、皮膚からの排泄がこの上なく活発化し(西洋的な症状の観点からは悪化と判断する)、アトピーの原因であった血液中の汚れを出し切ることができたのだ。吸収ばかりで、排泄がおろそかになると皮膚病になりやすいため、食べ過ぎ・飲み過ぎをし、運動不足傾向で、発汗の少ない人は皮膚病に悩まされることが少なくない。』