小食と大食

 

患者さんに置鍼(頭に鍼を刺して置くことです)したあと、様々な話をします。その中で、やはり健康がテーマになることが多くなります。そんな時、「非常識の医学書」p135にある石原結實先生の簡単な図式を読むようにしています。

小食の人は得

小食あるいは断食をすると

胃腸への血流が少なくなる

胃腸以外の筋肉や臓器への

血液の供給が多くなる

体全体の熱量が増加し

体温が上がる(完全燃焼)

体が温まると血流が良くなり

免疫力(白血球の能力)がアップ

元気・健康

大食いの人は損

食べ過ぎると胃腸に

多くの血液が集まる

胃腸以外の筋肉や臓器への

血液の供給量の低下

全体の体の熱が低下、冷えを招く

(不完全燃焼)、血液が汚れる

体が冷えると血流が停滞し

免疫力(白血球の能力)が低下

病気・体調不良

いかがでしょうか?

パーキンソン病の原因の一つ

 

パーキンソン病の患者さんを診る時もあります。そこで、「非常識の医学書」という本で、石原結實先生が、書いておられる個所を紹介いたします。

『脳の血流不足で起こるともされる。パーキンソン病は、食べ過ぎがひとつの悪化要因と考えられます。

食べ過ぎると胃腸に血液が集中するため、胃腸以外の脳や筋肉への血液の供給量が低くなります。ですから、食べ過ぎは胃腸に血液が集中するため、脳の血流不足にさらなる拍車をかけ、病気が悪化します。

(中略)

年老いたネズミの摂取カロリーを通常の40%に抑えると、老化により減少していた脳内ドーパミンの量が増えて、学習能力も高まりました。寿命も他のネズミよりも40%も伸びたそうです。ドーパミンの量が増えたのは、ドーパミンの受容体が増えたためであることがわかりました。少食は老化による脳細胞の損傷を抑えるというのです。

(中略)

パーキンソン病ではドーパミンの分泌量が減少していますので、何とかその受容体を増やしてあげることが大事なのです。

(中略)

このほか、最近では患者さんには体を温め、脳の血流を良くするための漢方薬「抑肝散」が処方されることが多いようです。少食と運動を心がければ、たとえ難病といわれても、症状が改善することが少なくないものです。』

また、石原結實先生のYouTubeでは、「葛根湯」がパーキンソン病に効くともおっしゃっています。

操体法で五十肩を治すぞ!

「五十肩」で右腕が水平までしか上がらない50才代の男性患者Cさんの続報です。

Cさんは、スマホを使う時親指のみ。これを指摘したのですが、中々治っていないようです。いつの間にか親指を使っています・・・しばらく、観察してみます。

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、「肩を腰で治す」という考えがあり、今回は操体法でトライしました。Cさんには奥のベッドで、右肩を上に横向きになってもらいます。

「下の脚をまっすぐにして、上の脚を90度に折ってください。」

と、定番の姿勢になってもらいます。そして、上の脚をベッドより下に持っていきつま先を内側に決めます。

「私が足を、決めていますから、つま先を外側にゆっくり戻してください・・・・実際には、私が決めていますから足は動かないですが、連動して上体が動くでしょう?」

「決して力まないで・・・・息を吐きながら、ゆっくり気持ち良く動きましょう。ポイントは、気持ち良さです。」

などと、言葉で誘導しながら操体法を進めていきます。何と、これを2~3回行うと右腕がドンドン上がるようになってきました。ところが、Cさんに座ってもらい腕を上げてもらうと、やはり上がりません。

「何でじゃろ?・・・まあ、効果が出てることは確かじゃけん・・」

と、その時は曖昧な言葉で済ませたのですが、後日カラダを通して人体実験して理由が分かりました。横向きになって腕を上げていくと重力が応援してくれ手が伸びるのを手伝ってくれるのです。そのため横向きからのこの操体法は、効果的だと思います。

五十肩の女性

60才代の女性患者Aさん、3週間くらい前から「五十肩」のような症状で右腕が上がらなくなってきました。そこで、仰向けになっていただきカラダの歪みを見てみると、顕著な歪みは見当たりませんでした。

「右肩を上にして、横向きになっていただけますか?下の脚をまっすぐ、上の足は90度に折ってください。」

と、定番のお願いをします。3週間くらいの「五十肩」ならば、鍼を打つ必要がないように思えたので、押圧だけの施術を選びました。

三角筋前部繊維→小臀筋

三角筋中部繊維→中臀筋

三角筋後部繊維→大臀筋

と対応するので、肩に対応する小臀筋、中臀筋、大臀筋に気持ち良く押圧すること20分。

「はい、これでどうですか?」

「・・・・うっふ、良くなりました。」

と、終了・・・・めでたし、めでたし!

葛根湯

私が30才の頃に持っていた「漢方問答」という難関な本があります。これをもう一度読み直しているのですが、まず身近な「葛根湯」という漢方薬の成分を紹介します。

葛根湯の成分(7つ)

  1. 葛根(かっこん)
    葛(クズ)の根。発汗を促し、筋肉のこわばりを和らげる。
  2. 麻黄(まおう)
    発汗・解熱・鎮痛作用。鼻づまり改善にも働く。
  3. 桂皮(けいひ)
    シナモンの樹皮。体を温め、血行を良くする。
  4. 芍薬(しゃくやく)
    筋肉の緊張を緩め、痛みを和らげる。
  5. 甘草(かんぞう)
    炎症を鎮め、ほかの生薬の働きを調整する。
  6. 生姜(しょうきょう)
    体を温め、胃の働きを整える。
  7. 大棗(たいそう)
    ナツメの実。胃腸を保護し、体力を補う。

これら中で、麻黄(まおう)があまりなじみがないので、チョット深掘りしてみます。

マオウ(Ephedra)という植物の地上茎を乾燥させた生薬で、主な薬理作用は「アルカロイド成分」によります。

麻黄の主な成分

中心となるのは次の エフェドリン類アルカロイド です。

① エフェドリン(Ephedrine)

  • 交感神経を刺激
  • 気管支拡張、発汗、鼻づまり改善
  • 心拍数や血圧上昇の作用

② メチルエフェドリン(Methylephedrine)

  • 気管支拡張
  • せき止め作用
  • エフェドリンより作用は穏やか

③ プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine)

  • 鼻粘膜の充血を取る(鼻づまり改善)
  • 市販薬(鼻炎薬)にも利用される成分

④ ノルエフェドリン

  • エフェドリンの類似成分
  • 交感神経刺激作用

 

親指でスマホをタッチ⁉️

50才代の男性患者Cさん、五十肩で右腕が水平までしか上がりません。そこで、様々なアプローチをしているのですが、中々成果を上げることが出来ません。

施術後、Cさんと話をしながら、Cさんのスマホを使用する姿を見ながら分かったことがあります。

Cさんは、座椅子に座って右にカラダを傾け、右手の親指だけでスマホをタッチしています。どうやら、この姿勢と動作が五十肩を作り、いくら施術をしても効果が上がらない理由だと思ったのです。

①姿勢

右に重心を傾けているので右肩の筋肉(三角筋といいます)が、盛り上がり緊張しています。

②足は親指、手は小指

これは、身体運動の法則の重心安定の法則に「足は親指、手は小指」があります。足は親指、手は小指に力を入れるのが、身体運動の法則なのです。ところが、Cさんは親指で操作しています。これでは、カラダを悪くするだけです。

スマホは、左手で持って右手の人差し指か、中指で押せばいいのです。右手の小指はしっかりグーで握りしめているので、ムダな動きにならずスムーズな動作になります。

スマホを使う方、親指を使うのをやめましょう!

シソ風呂

 

畑で勝手に生えていたシソが、実をつけた頃に風通しの良いところで、干していました。しかし、その後、どのようにするのか考えることもなく、時間が経ち、シソはカラカラに乾燥。きっとホコリも被っているだろから・・・・飲めない。

そこで、お風呂に入れることにしました。ChatGPTで調べると、

  • リラックス効果(爽やかな香り)
  • 血行促進(体が温まりやすい)
  • 軽いかゆみ・湿疹の緩和
    → シソの葉には抗炎症作用があると言われています
  • アレルギー症状の軽減の民間利用もあり

とあり早速、朝風呂に入れてみました。量が少なかったためか、今一つ香りは少なかったのですが、効きそうな気配!しばらく、続けてみます。

八味地黄丸

八味地黄丸という漢方薬は、山芋がたくさん入っています。そこで、高齢の腎虚の人には、効くそうです。

71才になって初めて腎虚を自覚した今、何とか元に戻る方法を見つけます。八味地黄丸をまず体験して、私のカラダと向き合ってみようと思います。

その体験を患者さんの指導に生きれば・・と思っています・・今日は、ここまで。

皮膚が痒い!

80才代の女性患者Bさん、皮膚が痒くて仕方ないそうです。このような患者さんには、「石原医学大全」の一節を読むようにしています。

湿疹、蕁麻疹、アトピー

[原因]

皮膚は排泄器官の1つだ。皮膚病とは「体内の老廃物」と「過剰な水分」が皮膚を通して大量に排泄されている状態。排泄活動(湿疹、蕁麻疹、アトピー)を薬で止めてしまうのではなく、老廃物と過剰な水分を速やかに出すことが必要だ。

[対処]

①食事はよく噛んで腹八分目。ペットボトル飲料や冷たい飲み物は控える。

②ウォーキング、スポーツ入浴などで汗を流す。

③解毒作用があり、皮膚病の妙薬とされるゴボウを常食する。

④サウナ好きの人は、週3から4回サウナ浴を励行する。

アトピー性皮膚炎の人は、サウナで老廃物や水分を徹底に出すことで、美しい肌を取り戻せることがあると、「石原医学大全」にはよく出ています。

若いって素晴らしい!

『高校野球のピッチャーB君、右肩の前側(三角筋前部繊維といいます)、左腰痛そして、走塁の際、急に止まって左足首内側に痛みがあります。』

と、紹介したB君の続報です。その後のB君、腰痛、左足首内側の痛みはなくなりました。

「今日はどこが気になるの?」

「ここ(上腕)です。」

ということで、ジーンズを患者着に履き替えてもらい、治療開始。いつものように膝診をして頭に6本置鍼。すると、上腕の痛みが肩の痛みへと移っていったそうです。

「そしたら、ベッドでお尻を押そうか?」

「はい!」

とベッドまで移動して、痛い右肩を上にして横向きに寝てもらい、右臀部の押圧を始めると、

「あの~、この姿勢だと腰が、しんどいです。」

「そうか・・・そしたら、硬式ボールを敷いて仰向きになろうか?」

と、硬式ボールをお尻に敷いてゆっくりしてもらうと、肩の痛みがなくなっていきました。

「それから、体育の時間バレーやって、右膝が痛くなったんですけど・・・」

あちこち痛みを感じているB君です。そこで右肘の圧痛点を探して、軽く中指で触れるだけの操法を始めました。

「触れるだけで治るんですか?」

「うん、そうよ。」

しばらくして、

「膝どう?」

「・・・・・大丈夫!・・凄い!」

と、あちこちの痛みを取っていきました・・・若いって素晴らしい!