ヨモギ狩り

患者さんや患者さんの友人、私の友人からヨモギ情報をいただき、ヨモギ狩りをしていただきました。皆様、本当にありがとうございました!これらの貴重なヨモギをカリカリに乾燥させ、ミキサーで何度も何度も細かくしていくと、ヨモギの葉の裏側にある2種類の毛だけが残っていき、毛玉の様になります。これがモグサです。

愛媛県で唯一モグサ作りをしておられた棟田商会さんが、今年3月で店を閉じられました。そのため、「あじさいの杜オリジナルモグサ」を作ることにしたのです。鍼灸の専門学校では授業でモグサ作りをするところもありますが、私の母校では作りませんでした。そのため、初挑戦となります。まずどのくらいの量が必要なのかもよく分かりません。1度作ってみて、それから次のステップに進もうと思います。

今日の午前中、東温市の友人のl田んぼの畔(あぜ)にあるヨモギをいただきました。ゆっくりと散歩するだけで、気持ちよく、しかも「チネオール」という精油を含んでいるヨモギに触れるだけで、元気をもらえます。このモグサ作りが上手くいくと、何人かを集めてワークショップが出来るかも知れません。そうすれば、お灸が身近なものになって行くかもしれません・・・・まあ、とにかく作ってみます!

芽が出た!

駐車場に作った石垣畑にヒマワリの種を植え、芽が出始めました。当たり前のことですが、日当たりのいい場所から芽が出ます。この調子で夏までにどのようになっていくのか・・・さっぱり見当がつきません。

畑の南半分は、3階建てビルの影になるので、冬場は全く日が当たりません。そこで、あじさいの杜(もり)作りをしようと改めて思いました。実家の惣河内神社は、父親の意志を注いで弟夫婦が可憐な山あじさいを育て、「あじさいの杜」として有名になってきました。実家と松山では温暖差はあるものの、日陰になるため、山あじさいでも育つような気がしてきました。

畑の1/3位を可憐な山あじさいの杜に挑戦してみようと思います。残りの半分は、日当たりを好むヒマワリを夏に、冬は水仙を植えてみましょう!残り半分はやってから考えましょう。チョット先が見えてきました。

操体体操

 

少し先になるのですが、6月16日(金)13時からキャメルKというギャラリーで、「操体体操」というお話をすることになりました。その後、あじさいクラブとして演奏があります。演奏に関しては次々と新曲を練習し始めて、チョット焦っています。

操体法という民間療法を医師・橋本敬三先生が作られたのですが、あまり世には知られていないので、その紹介をすることにしました。私が30才の時、「からだの設計にミスはない」という橋本先生の本に出会い、非常に気になっていたのですが、離婚を機に操体法を学ぼうと決心しました。橋本敬三の弟子である三浦寛先生の元で、10年学び、その後やはり弟子の今昭宏先生に1年間学びました。そのため、鍼灸師として生活より操体法指導者としての生活の方が長いのです。今年で23年目となります。

その、「からだの設計にミスはない」の冒頭が魅力的だったのでご紹介します。

『日本は宝島

私の治療法ね、橋本式だとか、私が開発したものだとか、皆さんよくおっしゃいますが、これね、私が自分で発明したことなんか、何にもありゃしない。全部、民間から頂戴したものです。

私は50年も医者っていう名前で生きてきたけれども、その間にね、私は現代医学のアカデミー、いわゆる西洋流の医学からは何にも得たものがなかった。私に知恵を授けてくれたのは、みんな町の、民間の治療師や漢方医たちだったんです。

日本は宝島でね、宝がいっぱいあるんですよ。地理の上から見ても、日本は大陸のふきだまりで、いろいろなものが大陸から吹き寄せられてくる。この先はもう海に落っこちるだけとなれば、いいもの悪いものがどんどんたまってくる。古来からずいぶんと積もり積もってきたんだろうが、悲しいかな、どれが宝で何がガラクタかとんと区別がつかない。中には、21世紀の全人類に福音となるような宝だって埋まっているのだろうが、西洋から来たものだけが宝に見えて、古来から東洋に伝わり民間に残されているものをはガラクタに見えてしまうんだなぁ。私はこのガラクタのように思われているものの中から、21世紀の人類残す宝物を頂戴したと言うわけです。

(中略)

私は、若い頃、大学の研究上、研究室で神経生理をやっていたが、とうとう食いつめて、民間の病院に飛び込んだ。ところが、大学では研究ばかりで、臨床まるっきり経験していなかったために、すっかり現代医療に自信を失い、民間医療に目を向けたってことだから、私もあんまり自慢するほどのこともないわけだよなぁ。』

Cさん、続報

 

2週間前、1日中眠くてどうしよもない状態が続いていた30才代の女性患者Cさんの続報です。2週間前は、バスから降りていつの間にか道に倒れ込み寝てしまうほどでした。現在、眠気は無くなったのですが、一番気になるのは、側頭部の痛みです。

「仙骨を温めると調子が良いんです。」

と突然Cさんがポロッと発言されました。「そうですか・・・それは、良かったですね。」と反射的に応対したのですが、よくよく考えるとデルマトーム(皮膚分節)と関係があると思いました。写真のようにS1~5は、下半身の青い部分に神経支配があります。そのため、仙骨を温めると下半身も温まるのだと思います。次回の治療時にその説明をしようと思います。

さて、Cさんの側頭部痛ですが、Jソマトトープ及びKソマトトープが効果的でした。頭頂部を境に両親指の第一関節から末端までの大きさで頭の治療点があります。その側頭部にあたる圧痛点を見つけ、4本置鍼。

「どうですか?」

「・・・・・あれ?痛くない・・・・さわっても、硬いのがなくなっている・・・すごい!」

諸先輩が、Jソマトトープ、Kソマトトープの効果を発表されていますが、本当に効きます。これには、置鍼をした私自身が驚いてしまいました。頭痛には、Jソマトトープ、Kソマトトープ!です。

心腎不交

2週間前、1日中眠くてどうしよもない状態が続いていた30才代の女性患者Cさんの続報です。2週間前は、バスから降りていつの間にか道に倒れ込み寝てしまうほどでした。現在、眠気は無くなったのですが、精神的にややうつの状態で、一番気になるのは、頭頂部のコリと熱。頭頂部に500円玉ほどの大きさ2カ所が動かなくて、熱を持った状態です。

週に2回の通院で、自律神経と内臓の調整をしているので、徐々に症状が安定してきており、具体的な症状がはっきりしてきたようです。そこで、感じたのは東洋医学的な見方の*「心腎不交」*「心火上炎」です。

*心腎不交とは心火上炎などで生じた過剰な熱が腎(じん)の津液を消耗させてしまった状態を指します。イメージとしては鍋の中に入っている水が強火を受けることで蒸発しているようなものです。心腎不交の具体的な症状としては心火上炎の症状にくわえて下半身の重だるさ、手のひらや足の裏の不快なほてり感、寝汗、口の渇き、聴力低下や耳鳴りなどが挙げられます。

*心火上炎とは主に激しい怒りや精神的なストレスが慢性的にかかり続けた結果として現れる病能です。心火上炎の具体的な症状としてはイライラ感、焦燥感、多動、不眠症、のぼせ、顔面紅潮、口の渇き、口内炎などが挙げられます。心火上炎は心火旺(しんかおう)や心火亢盛(しんかこうせい)とも呼ばれます。

そこで、いつものように合谷診、膝診、上腕診、首診を行います。

合谷診:左(左側を診ます)

膝診:(省略)

首診:(省略)

膝診をしていると、Cさんが突然、

「頭が熱くなる前は、ずっと両脚のふくらはぎの奥がつった状態が続いていたんです。だから、背中が丸まった状態にいつもなっていたんです。」

「なるほど・・・・今、膝をチェックしていますが、これはふくらはぎの奥にあるヒラメ筋という筋肉のチェックです・・・・これが背骨の状態を表していると、考えています。背骨が萎縮していると、そこから出る自律神経の働きが悪くなります。ですから、ふくらはぎ、背骨、自律神経はつながっていると考えられます。最初に来られたときは、眠くなる原因が分からなかったのですが、自律神経を整えてはっきりと症状が出てきたような気がします。」

膝診をして、頭に置鍼(自律神経の調整)したあと、心と腎に関連する治療点に置鍼することを決めていました。膀胱に1本、心包に2本置鍼。

「これで、頭はどうなっていますか?」

「・・・えええええ?冷たい・・・不思議・・・・もう熱くないです。」

「よっしゃ!」

おもわずガッツポーズを取ってしまいました・・・・ちょっと、恥ずかしい・・・もっと淡々とすべきでした。

「これは、東洋医学的な考え方で、心腎不交といって心臓と腎臓がアンバランスな時の症状なんです。」

「腎臓ってどこにあるんですか?」

「背中の下の方です。」

「あああここ・・・ここ、硬くて痛い時があるんです・・・なるほど!」

と、Cさんは、納得された様子でした。これで、治療はほぼ終了。あとは、見つけた足の治療点にお灸をして完全終了となりました。

壁に感謝

 

長距離運転の仕事が入ったので、体調管理のため来院された30才代の男性患者Aさん。Aさんは、置鍼後の反応が早いのです。

「先生、全身が疲れとるんじゃけど、特にふくらはぎ・・・・長距離運転するけん・・・診てください・・・・前回の花粉症の治療で、花粉症良くなりましたわ!」

「それは、良かった!」

前回は目と鼻の治療点(オデコ)と、肺、舌咽神経の治療点(頭頂部)に置鍼したあと、オデコにパイオネックス(円皮鍼)を4個貼ったのが効いたようです。次回から花粉症の患者さんには、パイオネックスをおすすめしようと思います。Cさんの自律神経と内臓の状態を整えたあと、やはり両ふくらはぎに張りが残りました。このふくらはぎの張りにはデルマトーム(皮膚分節)を考慮した置鍼が一番効きます。写真で見るとブルーのS2の個所です。このS2の治療点が耳の前面(D点)にあり、正確に置鍼すると一瞬で緩みます。

「先生、鍼が刺さった瞬間、ふくらはぎに血が通うのが分かりましたわ。」

反応の早いCさんは、左右2本の置鍼で緩みました。全ての患者さんがCさんのような反応ならば良いのですが・・・・決してそうではありません。本日の急患の男性患者さんは、全く反応がないような状態でした。なぜこんなに違いがあるのかを考えるのは、次のステップとして必要なことだと思います。こういう壁に感謝です。

足に触れて治す

70才代の男性患者Cさんは、月に1回健康管理のために通院されています。Cさんには山元式新頭鍼療法(YNSA)と操体法の指先で軽く触れる操法を融合した施術をしています。前回、軽く触れる場所は、頭部の山元式新頭鍼療法(YNSA)治療点でしたが、今回は見つけた足の治療点に指先で触れることにしました。

Cさんは、3年半前から週一回の通院で、両膝痛が徐々に良くなり、ゴルフコンペで1ラウンドを回ることが出来るようになりました。また、Cさんはお教えした操体法をしっかりされているので、治療は全て操体法です。まず、膝診、首診を行い、骨盤の調整をして、足指を丁寧に揉む操法を25分。

合谷診:左(左側を診断します)

上腕診:左頸椎

膝診:左胸椎(#11、#12)、左腰椎(#4、#5、#6)

首診:左腎、左肝、左三焦、左脾、左小腸、右大腸、右三焦

これで、かなりカラダが緩みます。その後、見つけた治療点にそれぞれ3分間中指を触れるだけです。

「OKグーグル、タイマー3分お願いします。」

「3分ですね、ではスタート!」

施術時間を患者さんに知らせることで、安心感が生まれるような気がするので、あえて行っています。

「カラダのほうで、何か変化がありましたら教えてください・・・・眠くなったら眠っていただいて結構です。」

もうこの時点で、Cさんは眠りの体勢になっておられます。無意識の動きが足や手に出ています。Cさんは、意識があるにも関わらず、カラダが緩ん眠った状態になっています。今回は、頸椎、胸椎、腰椎の治療点に3分ずつ指先を置き、膝ウラ及び肘の緩みを確認しました。鍼を刺す代わりに、指先の触れで診断点(膝ウラ、肘)が緩めば、治療となります。

今度は、腎の治療点に指先を3分置きます。これは、ずいぶん効いたようで全ての診断点(首にあります)が緩みました。これで、治療は終了となり、Cさんには、5~10分ベッドでゆっくりしていただきます。

今後もCさんには、この治療法を行っていこうと思います。

石垣完成!

 

やっと、駐車場の石垣ができました。試行錯誤すること5回で、友人から頂いた石と真砂土を全て使い切ることができました。これは、私にとって奇跡です。嬉しくてしょっちゅう見に行っています。アート作品を仕上げた気分なのです。白い花崗岩を4個ずつ2列置いて、3台の車がきちんと置けるようにしました。

あとは、腐葉土を買って畑にまけば完成です。さて、何を植えるか?もうすでに友人から頂いたキャベツの苗とヘチマは植えました。患者さんから頂いたレタス、サツマイモも植えました。大根は、いつも患者さんからいただくので、植える必要はありません。特に切り干し大根にする術を覚えたので、年中大根には不自由しないと思います。

そこで、ヒマワリを植えようと考えました。ヒマワリの種はビールのツマミにピッタリ!もうこれで決まりです。大輪のヒマワリがのびのびと咲いているイメージを思い浮かべるだけで元気になります。また、治療院の前の道は狭いのですが、車の行き来が多くヒマワリの笑顔を見ていただくには最高の場所になります。

ヒマワリ元気を送るぞ!

チネオール

お灸に使うモグサは、ヨモギの葉の裏側にある2種類の毛から出来ています。一つは毛茸(もうじょう)と呼ばれる密生した白い毛で、もう一つは腺毛。これは「チネオール」という精油を含んでいるため、抗炎症作用、鎮痛作用、鎮静作用などの働きを促すそうです。このヨモギの作用と共に患部を直接お灸で温めて血行を良くすることにより、痛みは改善されるのです。

私が小学生の頃は、すり傷が絶えませでした。その度に、ヨモギを見つけては平らで大きな石の上に置き、拳(こぶし)より小さめの石で、たたいてその汁を傷口につけて治療をしていました。この時の原体験がカラダに染みついているのでしょう、いつのまにか鍼灸師になっていました。

「ひろむ(私の本名)、ケガしたらヨモギの汁を付けたらええんじゃ、それで治るんじゃ。」

これが、父親の生き様であり、私もそのように生きてきました。京都の山奥美山町で生活していた時、木から転げ落ちた事がありました。その時も、右膝の傷口にヨモギ汁をしっかりと塗りつけたのですが、中々腫れが治らないので、翌日病院に行ったのです。

「いいですか、ケガをしたら余計なものを塗ったりしないでください・・・・傷口が悪化するだけです。」

と医師に言われ、以後ヨモギ汁は使わなくなりました・・・・でも、チネオールの作用は信じています。

モグサを作るぞ!

残念ながら、道後温泉湯艾の発売元の棟田商会が、今年4月で仕事を辞められました。私が、専門学校(東京医療専門学校)の学生時、その品質の良さからわざわざ取り寄せていたほどのしっかりとした仕事をされていました。専門学校の実技試験では、いかに早く綺麗なモグサをひねれるかが、重要になるので、このモグサを秘密兵器としてクラスメートに教えていたのです。しかし、時代の流れには勝てませんでした。

そこで、今年はモグサを作ります。YouTubeを見れば簡単に作ることがわかりました・・・これも、棟田商会がなくなる原因かも知れません。5月ころ、比較的柔らかいヨモギを収穫し、乾燥。それをミキサーで何度も何度も細かくしていくと、ヨモギの葉のうらにある細かい繊維だけが残ってきます。それがモグサなのです。

大根葉を干すベランダがある我が家は、モグサ作りに最適なのです。患者さんでヨモギがたくさんある土地をお持ちの方がおられるので、取りに行きます。きっと新たな発見があると思います。楽しみです。