夫源病

 

石蔵文信という医師が、命名した夫源病という言葉を患者さんから教えていただきました。ウィキペディアから、引用します。

「妻が夫から受けるストレスで、夫が家にいることが最大のストレス。ストレスを生じさせている原因は様々であるが、夫の学歴、性格、普段の言動、低収入、義親の介護、夫の婚外恋愛、家事・育児に参加しない夫が挙げられている。「男性更年期症候群による不調が妻にもストレスとして大きな影響を与えているとする報告もある。特に、夫の暴言や、器の小さい男は大きく影響を及ぼす。夫の存在そのものが強いストレスとなっているとする見解もある。夫の在宅時間が長くなる夫の定年をきっかけに増加するが、20 - 30歳代の子育て世代でも症例報告がある。つまり夫婦関係の満足度は発症に影響を与え、特に家族形成期初期の影響は大きいと報告されている。」

こんな、夫婦関係が存在している・・・・何のための人生、何のための夫婦と考えてしまいます。私自身は、もう20年以上前に離婚し、可愛い子供3人とも別れその後は一人暮らしが続いているため、体験させていたのかどうか・・・今となっては、よく分かりません。上記の夫源病をもたらす原因の中の「低収入」は、ありました。あのままの私の収入ならば、子供達を大学に通わせることは、無理だったでしょう。

子供達にとっては、新しい父親が出来たことで幸せな生活を送ることが出来ているのですから、これで良かったと思います。私が子供達にできたことは、京都の山奥・美山町での茅葺き屋根の家生活。川が美しく川で泳ぎ、伝統行事のお神楽を体験できたこと、これは「三つ子の魂百までも」と残っておれば、それだけで十分です。

さて、「夫源病」お互いがお互いを思いやることが出来れば、この病気は存在しないと思います。そして、その思いやりを言葉にしていれば、ますます無くなると思います・・・と、書いたとたん前の嫁さんの言葉を思い出しました。

「トイレが終わったら便座を元にもどして!」

という言葉と共に、睨みつけた怖い目が浮かびあがりました。思いやりがあれば、彼女のために便器を戻していたはずです・・・・ほんのちょっとしたことの積み重ねが、大きな亀裂になっていったのでしょう。

私の友人夫婦は、いつも二人で仲良くされています。仲のいいご夫婦を見るだけで幸せになります。生活の価値観が同じで、その旦那さんは「○○ちゃん、愛してるよ!」としょっちゅう言葉にしています。私になかったのは、この言葉です。とりあえず、うちのモモ(メス猫)に言うことから始めてみます。

無茶々園

「先生、無茶茶園って知ってます?」

昼休みでゆっくりしている時、50才代の女性患者Aさんが、仕事着のままで突然来られました。

「??・・・知らない。」

「無農薬で作っているみかん園なんです。めちゃ濃厚で美味しいから・・・さしあげます!・・・それから先生、あの年賀状のウサギさん、先生が描かれたの?・・・可愛いの!」

「うん?・・・そうよ。もともと芸術をやってたのよ。」

「え!そうなんですか!」

などと、会話がはずみます。患者さんとして来られていないAさんのはずむような元気さに驚きました。お仕事が充実しているのがよく分かります。また、患者さんとして来られる時と全く違う一面を見せていただき、うれしく思いました。

早速食べたのですが、これが本当に濃厚で美味しいのです。あまりにも美味しいので、午後から来られる患者さんに2個残して差し上げることにしました。みかん(不知火しらぬい、通称:デコポン)を入れていた袋に下記のような説明があったのでご紹介します。

『無茶々園のこと

1974年、地域農業の未来を案じ、農薬などの化学物質を多用する柑橘栽培に疑問を持っていたみかん農家の後継者たちが始めた無農薬栽培の実験園が無茶々園の始まりでした。

「農薬や化学肥料に頼らないで、みかん作りを行うこと」

これが無茶々園のスタートであり、今でも基本としている考え方です。人にも自然にも無理のない栽培方針のもと、明浜では80軒以上の農家が無茶々園のみかん作りを行っています。

大切なのは、外見よりも味の良さ

無茶々園の農家は、農薬や肥料の使用について、共通の栽培方針で柑橘作りに取り組んでいますが、農薬の使用を抑えれば、どうしてもみかんの見た目は悪くなります。自然環境に配慮して、腐敗防止の農薬を使用しないため、一般に流通しているみかんに比べて傷みやすくなっていますので、お買い上げいただきましたら、陽の当たらない、風通しの良い場所で保管し、なるべく早めにお召し上がりください。

また、様々な大きさのものも入っていますが、それは1本のみかんの木に、いろいろな大きさや形の実がなるように、自然のままのみかんを大切にしたいという想いからです。そんな私たちの想いをご理解いただければ幸いです。』

本当に美味しかったです、応援いたします❣️

山元先生、ハーバード大学に呼ばれる

私の師匠である冨田祥史(とみたよしふみ)先生が、「山元式新頭鍼療法の実践」という加藤直哉先生との共著で、下記のように書かれています。

『補完代替医療の研究が盛んな、アメリカにおいてもYNSAは注目されています。1992年、アメリカ政府による補完代替医療の研究がスタートし、当時の研究費は2億円でしたが、現在では数百億円の予算がつき鍼灸治療の化学化において大きな成果を上げています。アメリカでは、現在2万人以上の鍼灸師がいて、全米に50以上の鍼灸学校があるそうです。そして実際にアメリカ全土の大学病院の中には、ほぼすべての大学病院に鍼灸科があります。がん治療で有名なスローンケタリング病院やデューク大学附属病院では、抗がん剤の副作用を低減や疼痛緩和に鍼灸治療が行われ、人工関節置換手術の後は、鍼灸治療を実施するそうです。その中で補完代替医療の分野でも、先進的な動きをしているアメリカの最も権威のあるハーバード大学、医学部大学院は、ヨーロッパのYNSAの噂を聞きつけ、2007年5月山元先生の講演と指導を依頼しています。日本の歴史上ハーバード大学医学部から直接招待を受けた医師は何人いるのでしょうか。』

わずか30年の間に、補完代替医療に費やした国家予算が何百倍です!経済が全く低迷した日本の30年との差はあまりにも大きすぎます。山元先生がハーバード大学で講演され16年経ったのですから、ハーバード大学の研究は凄いことになっていると思います。個人で頑張るには限度があります。日本政府、ちょっと頑張って!

なぜドイツでYNSAが普及したのか?

ドイツでYNSAの普及が世界中で1番の理由

山元敏勝先生は、ドイツのケルン大学病院で働かれ、奥様ヘレンさんはドイツ人で看護師をされていたのが大きな要因だと思います。山元先生のお人柄とその力量で多くの医師からの信頼を受けておられたからだと思います。私の師匠である冨田祥史(とみたよしふみ)先生が、「山元式新頭鍼療法の実践」という加藤直哉先生との共著で、下記のように書かれています。

『ドイツを始め、ヨーロッパの国々は自然療法をとても大切にしています。なんと、古代エジプト時代以来、4000年もの自然療法の伝統を受け継ぎ大切にしているのです。特にドイツでは、医学生は薬草の授業が必須であり、医師国家試験にも問題として出ます。また、医師免許更新時にも薬草のレクチャーを受ける必要があるのです。ドイツ人医師の20%は、ハーブや鍼灸治療、温泉療法など、補完医療(西洋医学以外の治療)を行っており、その割合は年々増加し、1パーセントもいない日本の現状と比べると、桁違いの普及率と言えると思います。またドイツにはハイルプラックティカー(補完代替医師・自然療法士)と呼ばれる鍼灸治療、アロマやハーブ、漢方、音楽療法、温泉療法など、補完代替医療を行うプラクティショナーの制度が、1938年からあり、ハイルプラクティカーの中でも鍼灸治療は人気が高く、YNSAは、中医鍼灸と並んで多くのプラクティショナーがいるそうです。』

この文章を読んで、日本との違いにただ呆然としてしまいます。そして4000年も続いた自然療法がドイツに存在していたことすら知らなかったのです・・・・私は。

そんな歴史があるドイツだから、当たり前に補完代替医療が展開できるのでしょう。羨ましいかぎりです。ただ、羨むばかりでは進歩しません、日本には日本の優れた発酵食品(ぬか床、納豆、醤油、味噌、日本酒などなど)があり、YNSAがあるのです。それだけではありません、縄文文明という新しい概念が生まれきています。1万7500年前から、縄文文明なるものが存在していたという事実が最新考古学の研究から、徐々に明らかになってきているようです。もちろん、この縄文文明という考え方を全く正しいかどうかは分かりません。ただ言えることは、もう少し日本に誇りと自信を持ってもいいのではということです。独自の補完代替医療を目指したいものです。

指先の鍼

(この絵と治療内容は関係ありません・・・最近、分かりやすくYNSAを紹介したいので、イラストにしています)

月に1回のペースで来院される70才代の男性患者Cさん、最近は操体法のみの治療が多くなっています。今回もベッドに移動していただき、骨盤調整から始めることにしました。来院されるほぼ全ての患者さんは、右脚が縮んで左脚が長くなっています。第一腰椎の左から仙骨(お尻にある平たい骨)の右にかけて腸管膜根(ちょうかんまっこん)という小腸の根元があるのですが、これがストレスで縮み上がるため、右骨盤の位置と左骨盤の位置に差ができるのです。

「やはり、右脚のほうが左脚より1.5cmほど短いですね・・・・右脚を軽く引っ張りますね・・・左のつま先を軽く上げて、カカトをゆっくり押し込んでください・・・・決して力まないで・・・」

などと、言葉で誘導しながら操体法は始まります。1回の操法で骨盤は整いました。今度は両手のひらで正三角形を作り、その上に仙骨を置きます。両膝を立ててゆっくり倒してもらいます。これで気持ちのいいポジションを味わうという操法です。Cさんは、右手にお尻の圧力がかかったので、ゆっくり思い出したように、

「そういえば・・・仕事していて右手の人差し指と薬指が痛うて・・・まっすぐにならんのです。」

「・・・それは、頸椎7番・・・・Cさん、ここらあたり(右耳の下)に痛いとこありませんか?」

「・・・・そこが痛いです。」

「そしたら、OKグーグルタイマー3分お願いします。」

「タイマー3分ですね・・・ヨーイスタート。」

私はCさんの教えてくれた圧痛点に中指を軽く当てるだけの操法を始めました。YNSA(山元式新頭鍼療法)では、この圧痛点に鍼を刺すのですが、指先を触れるだけでも効果があります。

「右の中指と薬指はどうですか?」

「・・・・・あれっ、痛ない・・・まっすぐになってますね。」

と効果がありました。念のため、オデコの中央部にあるA点と右耳下の治療点にもう一度、指先を当て3分間の操法を行いました。そして、その2か所にパイオネックス(円皮鍼)を貼って治療終了です。あとは、Cさんの好きな足指をもむ操法を30分して終了。坂本冬美の曲を聴きながら、爆睡のCさんですが、この治療法は全ての患者さんにも出来るので、鍼灸が嫌い、怖いと思っておられる方はお勧めです。

切り干し大根製造所

農業従事の患者さんから、無農薬の大根をたくさんいただいたので、切り干し大根にしています。大根葉は、カラカラになるまで乾燥させ、ご飯と一緒炊くと、黄色い葉っぱの方が、香ばしいのには驚きました。ですから、捨てるところがありません。

しかし、冬大根はもうこの時期でほぼ終了とのことでした。これ以上ほっておくと、菜の花が咲いてくるそうです。春大根は、少し辛みが増しますが、みずみずしいそうです。夏大根は、圧倒的に辛みが増すそうです。暑い夏を辛いすり大根で乗り切るにはいいかもしれません。

隣にあった2階建て住宅がなくなり、空き地になったため、南からの日差しが出窓に入り込むので、切り干し大根製造所に早変わりです。よくよく調べてみると、切り干し大根だけで、味噌汁のダシがとれるそうです。私は、ダシは昆布と煮干しという固定概念の石頭でした。

切り干し大根だけで、どんな料理が出来るのか、ちょっと楽しみになってきました。

東温史談

 

「東温史談」という東温市の歴史を紹介する立派な冊子が届きました。これに、惣河内(そうこうち)神社宮司の佐伯敦が近藤林内物語 身宝は 芋に大根に 麦の飯 という文章を書いております。イラストは私が描きました。

近藤林内(こんどうりんない)さんは、大庄屋として地域をまとめ、作り酒屋として美味しい酒をつくり、大繁盛し、その金を地域のために使った偉人です。焼けた惣河内神社を再建したのも近藤林内さんです。その一節をご紹介します。

『わしは大庄屋になってはおるが、村のみんなと同じただの百しょうじゃ。刀なんぞは、いらん。たまたま商売がうまくいってお金が入ってくるけど、それも、神様、仏様、そして村のみんなのおかげじゃ。みんな、苦しい生活をしよるんじゃから、わしらもがまんして、みんなと同じ生活をしよう。そして、少しでも、河之内のためになるようにお金を貯めようと思う。お前らにも苦労をかけるけど、がまんしてくれ。うちの店にお金がたくさんあるからといって、自分たちが偉いと思ってはいかんぞ。これはご先祖様が残してくださったお店や田畑があるおかげで、たまたま我が家にお金が集まっているだけじゃ。このお金は、決して自分のものではなく、みんなのものだから、世の中のお役に立つことに使わねばならん。そのためにはけん約し、一文たりとも無だに使ってはいかん。お米は神様からいただいた食べもので、大切なお金に代わるのだから、一粒も無だにしてはいかんぞ』

頭がさがります。

操体法とYNSAの融合2

(この絵と内容は関係ありません・・・こんな絵を制作中です)

2週間前に、

『4年前から通院されている60才代の女性患者Cさん。4年前は右股関節が痛くて、夜中眠れない日々が続きましたが、半年の治療で股関節の痛みはなくなりました。そして、3年間は週に一回のペース、最近は2週間に1回のペースで通院され体調管理をされています。Cさんには、頭の鍼、足の灸、操体法など様々な治療法を行っています。前回は操体法のみの治療で調子が良かったので、今回は操体法と山元式新頭鍼療法(YNSA)の新しい組み合わせを行なってみました。』

という書き出しで、操体法とYNSAの融合した治療法をCさんにおこなったのですが、その後の経過が良く、股関節や膝の痛みはなかったそうです。ただ、寒い日が続くと膝の冷たさを感じることがあるそうです。そこで、今回も前回と同じ治療法を行うことにしました。これは、YNSAで行う合谷診、膝診、首診を行い、鍼を頭に刺す代わりに、患者さんの頭の治療点へ、私が指先を触れる治療法です。

私が鍼灸師になる以前には、指先で患者さんに触れて治す操体法を行っていたのですが、その方法をYNSA(山元式新頭鍼療法)のシステムで行うのです。

合谷診:左(左側を診る)

膝診: 左頸椎#7、#6、胸椎#1、#9、#10、腰椎#1、大脳、脳幹、小脳

頸椎、腰椎、大脳の治療点に2分30秒触れると、それぞれの診断点がゆるみ、それ以外の診断点もゆるむ

首診:左腎、膀胱、肝、胆、心包、心、三焦、胃、小腸、肺

上記うち、肝、心、小腸の治療点に2分30秒ふれると、それぞれの診断点がゆるみ、それ以外の診断点もゆるむ

「OKグーグル、タイマー2分30秒お願いします。」

といって、指先が触れる時間をあらかじめ設定するようにしました。Cさんにとって、時間制限がある方が安心できるように思えたからです。上記のように、鍼を刺すのと同じ効果がでます。これは、4年間かかって築いた信頼関係があるから出来ることなのかもしれません。もし初来院で、鍼が嫌いな患者さんにこの治療法が出来れば、治療の幅が広がります。しばらくCさんには続けて行い様子をみてみようと思います。

鍼が怖いという患者さんに救いとなる可能性が出てくるかも?

YNSAの紹介

 

 

 

下記のようなYNSAの紹介文を書き、会社経営で成功している患者さんに見てもらったのですが、イラストを入れて、会話形式にして読みやすいようにしたら?

と、ご意見を頂きました。全くその通りでした・・・・やり直しです。

『YNSAの成り立ちと、普通の鍼(はり)との違い

山元式新頭鍼療法(YNSA)は、1968年、麻酔科のドクターだった山元医師の失敗から始まりました。ドクターは、麻酔液を入れるの忘れて無菌水を60才代の女性患者さんに打ってしまったのです。すると患者さんは、注射を打ったところはもちろん、それ以外にも激しい痛みが生じました。ところが、患者さんのもともと治療を望んでいた部位の痛みが、しばらくすると全く無くなってしまったのです。

この失敗を、ドクターは「東洋医学のツボと関係がある」というお告(つ)げだと直感し、東洋医学を研究されます。当時(1960年代後半)、中国で発表された頭鍼療法を取り入れながら試行錯誤したのですが、効果はあがりませんでした。そんなある日、脳梗塞の後遺症で麻痺を起こされた60才代の男性が来院されました。左半身麻痺で左の側に全く感覚がなく、動かない状態でした。しかし、この患者さんの右側のこめかみの少し上あたりをに触れたとき、患者さんが「左腕に何かを感じる」と言うのです。再び頭部のそのポイントに触れると、今度は全く動かないはずの左腕がわずかに動く事が起こったのです。

ドクターはこの時、「頭部には腕以外にその他の体や内臓にもつながるポイントがある」と直感したのです。それからは、仮説を立てながら次々と治療ポイントを見つけ出していきました。そして、ウワサがウワサを呼び、1日に200人もの患者さんが来院するまでになったのです。この治療方法を1974年海外で発表すると瞬(またた)く間に広がり、現在までに、ドイツでは19万1000人、アメリカ合衆国では16万3000人、ブラジルでは14万9400人の医師が研修を受けました。この治療を数十年続けたので、ドクターは、のべ150万人の患者さんを診ることになりました。そして次々と治療点をみつけていき、今では14カ国以上の国々で補完代替医療として使用、研究されています。

日本では、2013年に学会が発足し、現在約600名の会員がいます。

YNSAの特徴

1)ツボが40ほどしかない←→経絡のツボ(361+たくさんのツボ)

2)西洋医学の知識の上に東洋医学の考えを加えているので、普及しやすい

3)服を着たまま、座ったままで治療できるので、手間がかからない

4)即効性がある

5)再現性が高い(秘技ではない)

6)治療率が高い

7)クスリのような副作用がない

8)新しい治療点、治療法が見つかる可能性がある』