高齢者の睡眠不足

90才代の男性患者Bさん、今月に入って睡眠不足で悩んでおられます。「高齢者 睡眠不足」で検索すると、様々な理由が列挙されておりBさんがどれに当てはまるか、分かりません。ただ、納得がいく説明があったので紹介します。

『生活習慣を整えて不眠を改善するためには、メリハリのある睡眠習慣を身に付けることが大切ですが、そのためには眠い時に寝床に付くのを心がけましょう。

高齢者の中には「やることがないから寝る」という方も多く、昼間に午睡する・夜も早めに寝るというケースも多いのですが、不要な睡眠をとると日中の活動時間が減り夜の睡眠の質が落ちてしまいます。

質のよい睡眠をとるために体のコンディションが整うのは平均して午後10時半ごろなので、なるべく遅くまで起きていて、本当に眠くなるまで床に入らないようにしましょう。

また、日中の午睡前にカフェインの入ったコーヒー・紅茶などを飲むと、寝起きにスッキリするのでおすすめです。』

Bさんは几帳面な性格なので、毎日の生活パターンが決まっているようなのです。驚いたことに、午後6:30には入床するそうです。これでは、眠れる訳ありません。

「そんなに早く床についたら誰でも、眠れませんよ。」

「・・・いや、そういう生活をしとるけん、中々変えられん。」

非常に頑固なBさんですが、「質のよい睡眠をとるために体のコンディションが整うのは平均して午後10時半ごろ」ということをしっかり説明して、「眠い時に寝床に付く」という生活習慣を作るように説得しようと思います。

腸内環境を乱す危険なもの

今回も、大沼四廊先生主催の「ナチュラルメディスン」発行のチラシの一部を紹介いたします。

『腸内環境を乱す危険なもの

抗生物質:抗生物質が市販されていないのは薬物乱用を引き起こし、結果的に薬物耐性菌の問題が出てくるため。医師が処方する場合でも、不必要な抗生物質の処方や間違った処方の仕方により耐性菌が問題となっている。抗菌剤はお腹の中の腸内細菌の善玉菌を壊し下痢の原因になる。幼少期にたくさんの抗菌剤を出された子供たちは、心身の具合が悪いまま成長し様々な疾病発症のリスクが高いと言われている。

非ステロイド性消炎鎮痛薬:炎症の局所におけるプロスタグランジンなどの活性物質の抑制によって、解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用を発揮する。一般に「痛みどめ」と称される薬剤を言うが、障壁にダメージを与えるリスクが高い。

遺伝子組み換え食品:人体が毒素を解毒する力を弱める。

脳の健康に大切なビタミンDの機能を弱らせる。

トリプトファン及びチロシンの合成を阻害する。

農薬(農薬と塩素):メタン菌が増殖し、肥満、歯周炎、大腸がん、などのリスクを高める。

合成化学物質:ペットボトルなどに使用されるビスフェノールはホルモンバランスを乱すことが知られている。これらの合成化学物質は、内分泌腺や脂肪組織に蓄積する。当然に肝臓の処理機能を上回り、毒素を排出することが困難になり、体全体の働きと腸内環境のバランスを大きく狂わせることになる。

食品添加物:天然や自然由来でないケミカルなものは、体内に徐々に蓄積されていく。当然に腸内環境とも折り合いが難しく、体内に毒素を蓄積することになる。解毒係の肝臓に当然大きな負担となる。』

プロスタグランジン、トリプトファン、チロシンなど専門学校ではならいましたが・・・よく分かりません。カタカナのところは無視して、それなりに読んでください。

抗生物質に関しての記事をコピペします。

『抗生物質は古来より使用されてきた。複数の文明がカビなどを感染症の治療に使用しており、古代エジプト、ヌビア、ギリシャなどでその記録が残されている。20世紀の初頭にポール・エーリッヒらが合成抗菌薬を開発したことで選択毒性に基づく感染症の化学療法という概念がもたらされる。そして、1928年にはアレクサンダー・フレミングが世界初の抗生物質であるペニシリンを発見、ハワード・フローリーとエルンスト・ボリス・チェーンの研究により大量生産が可能になったことで普及が進んだ。その後、抗生物質の開発は1950年代から1970年代に黄金期を迎え、グリコペプチド系、ホスホマイシン、マクロライド系など、様々なクラスの抗生物質が発見されていった。』

『抗生物質の有効性と入手のしやすさから、不適正な使用につながり、一部の細菌は抗生物質に対する耐性を進化させた。 複数の抗生物質に対し耐性を示す多剤耐性菌の出現を受けて、世界保健機関は抗生物質が効かなくなるポスト抗生物質時代の到来を危惧している。このような背景を受けて、近年は土壌以外の環境から抗生物質の探索を行う試みが進められているほか、抗生物質に依存しない代替製剤の開発も進められている。』

万能ゴムバンド恐るべし

 

40才代の男性患者Cさん、インターネットで当院を見つけて初めての来院。1週間前から左肩甲骨の内側が痛くなりました。建築業の仕事に携わっておられるので、筋肉質のガッチリとした体型で、触れると筋肉が硬いのでカラダ全体が硬く感じられます。

最近の治療では、大沼理論を取り入れて畳部屋で左右差のある脚調整と、左鎖骨の上にあるくぼみに親指を入れ、圧痛があるかどうかのチェックをします。ほぼ全ての患者さんは、右脚が縮み左鎖骨のくぼみに痛みがあります。Cさんもこの2点は同様にありました。これらは、操体法で解決します。

その後、山元式新頭鍼療法(YNSA)で11本置鍼。これで8割方痛みが取れました。残りは、足に見つけた治療点3か所に合計8壮お灸。これで9割痛みが取れましたが、まだ少し痛みが残るので、万能ゴムバンドを左肩から前腕にかけてグルグル巻きにしました。

「これで、どうですか?」

「・・・・・あっ、全く痛みがないです!」

万能ゴムバンド恐るべし!

ストレス

40才代の女性患者Bさん、月に2回来院されています。今回は頭痛、脇下の痛み、腰痛。そこで、大沼理論によるカラダの歪みチェック。畳部屋で仰向けになってもらいます。大沼理論の通り右脚が2cmほど縮んでいます。第1腰椎の左から仙骨の右にかけて腸管膜根という組織がありそこから7mもある小腸がクネクネと骨盤に収まっています。なんらかのストレスが加わると、その腸管膜根が、縮み右側の骨盤が上に上がります。これを「上前方変位」といいます。そのため、右脚が短くなります。

Bさんに操体法の左のカカトを踏み込む操法をおこなうのですが、中々元に戻りません。よほどのストレスがあるに違いないと思い、足の指を丁寧にもむ操法を20分行いました・・・・それでも、まだ右脚が縮んだままです。ただ、カラダ全体が緩んだのは分かります。そこで左を下にして横向きになってもらい、右股関節を弓のようにそらして軽く膝蹴りをするような操法を2回。これでやっと、左右の脚がそろいました。

「患者さんの9割は、右脚が縮んでいるんです。」

とBさんに腸管膜根の話をし始め、

「ストレスとかありますか?」と尋ねると、

「職場で、一人正論を言うのだけれども、あまりにも高圧な態度の人がいて・・・すごいストレスなんです。」

「うん・・・・やっぱりそうですか・・・寝る時の姿勢は、どうですか?」

「左を下にして横向きで寝ます。」

「やっぱりそうですか・・・右骨盤がうっ血しやすいので、どうしても左を下にして寝てしまうんです・・・・そうすると、左の鎖骨が圧迫されて、左鎖骨下動脈という大切な動脈が詰まって、血流が悪くなるのです。」

「・・・・それで、足の指がガチガチなのかもしれない・・・・」

Bさん、大沼理論をカラダを通して理解されているようです。理論を理解されると、スッキリするもので、頭痛、脇下の痛み、腰痛がいつの間にかなくなっていました。今日は、鍼を打つ事なく治療終了となりました。

眉毛の上は、膝に効く

山元式新頭鍼療法(YNSA)では、脳(大脳、小脳、脳幹)及び脊椎(頚椎、胸椎、腰椎)の状態を診断して、治療する基礎治療があります。その診断する個所が肘内側と上腕にあります(上腕診)。この治療で自律神経を整えているのです。ところが、上腕診で中々圧痛点が見つからない患者さんに出会い・・・・どうしたもんか?悩んでいた時、「もしかして、膝に圧痛点があるかも?」と探ったところ、あったのです。

そこで、私は上腕診+膝診を同時に行うようになりました。上腕診と膝診の併用はより正確さを増すように思います。特に膝痛の患者さんに対して眉毛の上の治療点に置鍼した時、一瞬で膝が緩む事があるので非常に有効です。

今回のYouTubeは、この体験を踏まえって作ったものです。興味ある方は是非ともご覧下さい。

変化

名古屋の大沼四廊先生主催の「ナチュラルメディスン」のセミナーに来週の日曜日に再び参加します。先生のセミナーや治療を受けることで、私の治療方法が変わってきました。操体法というカラダの歪みを取る民間療法を中心に治療をしていこうと、6年前に開業していたのですが、3年前から山元式新頭鍼療法(YNSA)に移行していました。ところが、大沼四廊先生の大沼理論に遭遇し、再び操体法を自由に加える治療に変化しているようです。

大沼理論で最も納得出来るのは、カラダの歪みのメカニズムです。このメカニズムのため開業以来、常に感じていた患者さんの2つの歪みの傾向の理由がわかりました。2つの傾向というのは、

1)9割以上の患者さんの脚の長さは、右脚が短く、左脚が長い

2)8割の患者さんの左合谷(人差し指と親指の間のくぼみ)の方が右合谷より圧痛点が多い

1)の理由は、以前にも紹介しましたが、「腸管膜根」という第1腰椎の左から仙骨の右にかけて存在する小腸の始まる部分が、ストレスにより縮み右腸骨が上がるためです。これを「上前方変位」といいます。この骨盤の歪みにより、第12胸椎と第9胸椎と第3頚椎に歪み圧痛点が生じます・・・・なんと、こんな単純な真理があったのです。

2)の理由は、1)の理由で右腸骨が縮み右ソケイ部が萎縮するため、そこを通る大動脈、大静脈が圧迫され、右下腹部がうっ血する傾向が多くなります。その結果、右側を上にして眠るため左側が圧迫されます。鎖骨は第1肋骨に乗っかっている関節(鞍関節といいます)なので、平行移動しやすいのです。そうなると、その周辺を通っている左鎖骨下動脈を圧迫し、左腕の血流が悪くなってしまうのです。

こんなメカニズムが分かると、操体法を使って効率よく歪みをとる方法を考えるようになります。

自由な発想でやれるので、ますます治療が楽しくなっています。

青じそ畑

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畑が大変なことになっています。

冬場は全く陽が当たりません。陽があたらなくても出来る植物は、ミョウガ、ブロッコリー、青じそ、ふきでした。そこで、昨年出来た青じその実を、そもまま畑に放置してみました。すると、陽の当たり出す4月くらいから小さな芽が出始め、一気に青じそジャングルになってしまいました・・・予想通りだったのですが・・・・あまりにも増えすぎるので、青じそとブロッコリーの青汁(現在、これだけにしか使っていません)以外の使い方を、思案中でした。そんな時は、患者さんが教えてくださるのです。

「先生、あれだけ青じそがあれば、酵素が出来ますよ!」

そこで、そのレシピをご紹介します。

1)てんさい糖と青じそを同量用意します。土鍋に青じそをいっぱい盛り、てんさい糖を振りかけます。蓋(ふた)をして1晩寝かせます。

2)2日目、手で混ぜます・・・・自分が持っている菌と馴染ませるのです。

3)3日目、麹(こうじ)を1握りパラパラとかけ、混ぜます。

4)4日目、1~2回混ぜます。

5)5日目、1~2回混ぜます・・・・今の時期なら常温で土鍋を放置していても大丈夫だそうです。この状態で、水分が随分出て来たなら、その水分が酵素です。これをガーゼで絞り出すと酵素たっぷりの青じそ汁になります。これを冷蔵庫にいれて保存すれば、いつでも青じそ酵素が飲めます。また、絞りきった青じそは、水にいれ沸騰し冷やしてレモン汁をくわえると、美味しい青じそジュースになります!

これを繰り返してやり続けると、あじさいの杜青じそ酵素工場になりそうです・・・まだ、妄想の段階なので、後日、ご報告します。

親友からの便り

2022年 5月31日〜6月5日 萬翠荘にて

私の親友が、先日あじさいの杜鍼灸院に来られ、治療を受けられて感想を書いてくださいましたので、紹介します。

『声楽家・アスリートの皆様へ

佐伯先生の治療を受けて

俳人・シンガーソングライター 鈴木啓造

あじさいの杜鍼灸院 ・院長の佐伯弘先生は、私の大学時代の同級生である。彼は今は山元式鍼治療、操体法、大沼式健康法等々を複合した治療院を松山市で開設しているが、もともとは造形アーティストとして、国際的に活躍していた人物である。様々な傾向のアート表現を行ってきたが、その中心は倒木や廃材などをカットしたものを用いた「積み木アート」である。

愛媛の山奥の由緒ある神社の御子息の血がそうさせているのだろうか、どこか縄文時代以来の土着的感性や神道的晴明さが作品に通底している。そこに重要視されるのは「バランス」であり「和」の感覚である。さらには「禊」「払い」の感覚でもある。

彼の作品がかえって、ヨーロッパやアメリカで注目され、激賞されたのは、やはりそうした感覚から遠い文明を持つ人々の欠落感や憧憬を刺激したものと思われる。

彼は、自分の領域を固守する普通の職業的アーティストとは異なる。彼の表現スタイルは感受性に導かれるままに、またその時々の使命感の要請に従って、さまざまなメディアを活用し、多様な形式の表現を取ってきたように、ごく自然に「治療家(ヒーラー)」の道に転身した。それは彼が四十代であったと記憶する。

遅い出発と思われるだろうが、私はそうは思わない。アーティスト時代を経たからこその必然的な転身であったのだと思う。彼の治療には、そのアーティスト時代の滋養が結実している。やはりそこに流れる基本精神は、「バランス」であり「和」の感覚である。

概略、上記のような経歴を持つ佐伯先生の施術は、一般の体の不調を訴える人の治癒に多くの結果を残してきてはいるが、私が思うに、とりわけ有効なのは、表現者やアスリートに別次元の能力を発揮させることにあると思っている。

つまり、体が骨格と筋肉による「積み木」作品だと考えると、彼の施術は、施術を受ける人それぞれの歪み、偏りを鋭く診断し、本来の「バランス」と「和」による力を最大限に引き出し、調整するアーティスティックな行為なのだと思う。

私がこのことを実感したのは、佐伯先生の鍼治療を受けたことで、別次元の心身の状態を体験したからだ。その劇的な変化は、鍼治療を受けた直後おとずれた。何気なく声を出してみると、普段話す数倍の音量の声が、腹の底から出てきたのだった。それのみならず、その声が大変張りのある艶やかな声だと実感できたのである。

試しに、高音の声を出してみるといわゆる「ひなる」状態ではなく、無理せず伸びのあるきれいな声が出せた、低音を出してみると響きのある静かで力強い声が出せるようになっていたのである。周囲が輝いて見え、なぜかとても朗らかな気分となった。

東洋医学では「聞診」といって、患者の声を聞くことにより、その人の健康状態を診断することが古来から行われている。これは様々な診断方法の最も基礎にあるものだそうだ。明るい、澄んだ、力強い、落ち着いた、響きのある、朗々とした声を持つ人には不健康な人はいないという考え方なのであろう。

こうした声の出るメカニズムを物理的に解釈すると、やはり、脊柱の歪みが正され、そこに付着するインナーマッスルが和らいで、しかもそれらが生き生きと柔軟性をもって有機的に働くときに発せられる音声ということになろう。

佐伯先生の鍼治療は、上記の効果を引き出す、根源的なパワーを持っていると実感した。私はこれまでいろいろな施術をいろいろな状況で受けてきたが、このような劇的な変化を体験したことは初めてである。

私はこの施術のメカニズムにより、アスリートの皆様においては劇的な記録の伸びが期待でき、声楽家のような身体的パワーを必要とするアーティストの皆様には別次元の表現世界が開けるのではないかと思っている。ぜひ一度、佐伯先生の施術を体験されることをおすすめする。』

前脛骨筋

 

今回も、大沼四廊先生主催の「ナチュラルメディスン」のチラシの紹介をいたします。

『セルフケアのススメ

セルフケアについて

私たちの日常生活において、肉体的に最も疲労を感じている部位は足である。足は全身の体重を受け、支えている重要なパーツだ。歩行時には当然に負荷がかかるが、直立状態でも大きな力が加わっている。歩行する際は、つま先から体重を受けるが、そのつま先をコントロールしているのが前脛骨筋である。そのため立ち仕事やよく歩く人は例外なくこの筋肉が硬直しているそのため、血流が悪化し、神経伝達物質が神経に作用できず感覚が麻痺状態になる。慢性化することで、疲労感や筋肉痛を感じることが少なく、むしろ腰痛や肩こり、頭痛等で現れる。したがって日々の疲れを持ち越さない事はとても重要になる。』

今まで前脛骨筋のことを考えることは、ありませでした。なぜなのだろう?と考えたところ、私は無意識のうちにこの前脛骨筋のストレッチをやっているので、全く気にしていなかったようです。幸い、私の仕事場は板間で布で出来たワラジを履いており、畳部屋もあるので、暇な時は足指などのストレッチが好き勝手に出来る空間になっているのです。

しかし、こんな空間は珍しい・・・・のだ!っと、気づきました。多くの人は、靴を履いて立ったり歩いたりして働いているのです。前脛骨筋が硬直している人が多いのですね。明日からの治療に前脛骨筋の状態をチェックしてみる必要があるかも知れません。大沼先生のチラシには数多くのヒントが散らばっています。今月17日のセミナーまだ空きがあり、参加出来ることになりました!・・・・楽しみです!